能登半島地震の直前、2023年11月から12月にかけて石川県輪島市で撮影が行われた、舘ひろしさん主演映画「港のひかり」が完成し、11月から全国公開される。その試写会にあたるジャパンプレミアが、被災地である輪島市で開催。ジャパンプレミアに先立ち舘さんらキャスト勢は朝市の跡地なども訪れ、撮影時からは変わり果てた姿に衝撃を受けていた。
地震前の輪島の美しい風景を映し出す映画
活気あふれる輪島朝市。その中を歩くのは、俳優の舘ひろしさん。

能登半島地震の直前、2023年11月から12月にかけ輪島市の朝市通りや大沢地区で撮影が行われた、映画「港のひかり」いよいよ11月14日から全国で公開される。

映画は、日本海の小さな港町で暮らす元やくざの漁師と視覚障害がある少年との間の友情を描いた物語。主人公を演じるのは舘ひろしさん。その舘さんが救いを差し伸べる少年を、歌舞伎界の新星として注目される尾上眞秀さんが演じた。

監督は、去年「正体」で日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した藤井道人監督が務めた。

被災後初めて朝市通りを訪れた舘さんの思い
18日、試写会を前に朝市通りを訪ねた、舘ひろしさんや尾上さん、眞栄田郷敦さん。

輪島市の坂口市長が地震発生時の様子や復興への道筋などを説明した。

「来年度中にはなんとか一部建物が建てられるように」と話す坂口市長に、舘さんは「もう一度、朝市を?」と訪ねていた。
実は舘さん、能登半島地震直後の2024年2月、炊き出しのため輪島市を訪れていた。

舘さん:
私11月と12月、この輪島と、富山の方で撮影をさせて頂きまして、きょうは何かご恩返しができたらなと思ってやって参りました。

ただ舘さん、朝市通りは地震後、初めてだったそうで、その変わり果てた姿に「朝市の僕の記憶と全く違っていたんで、本当に大変、ショックを受けました、本当に何もないんだなと。」衝撃を受けていた。

地元の人々との温かな再会も
また朝市通りでは、こんな再会も…
女性:
私、大沢町なんで、今は大沢は中々行けなくて道がダメで行けなくて。今は山道で1時間かけて大沢町は行くんですよって言ったら、えぇ、大変ですねって。

舘さんは当時の撮影を見守っていたという女性との会話も、懐かしそうに楽しんでいた。

試写会の会場前で開かれていたイベントにも顔を出した舘さんたち、大勢の人に出迎えられていた。

豪華キャストが集う感動の舞台挨拶
そしていよいよ始まった舞台挨拶。
藤井監督や笹野高史さん。

黒島結菜さんや斎藤工さんなど…。

豪華キャストが輪島に勢ぞろいた。

舞台挨拶で、「一昨年、11月12月、輪島を中心として能登半島で撮らせて頂いた映画でございます。その直後の震災。」と話したところで少し声を詰まらせた舘さん。

「僕らが想像するよりも、もっと大変だったという気がいたします。この映画には、震災前のまだ美しい能登がいっぱい残っております。最後まで楽しんでいただければと思っております。」と熱い気持ちを、集まった約1000人の市民に語りかけていた。

能登への熱い思いが詰まった映画「港のひかり」は11月14日から全国で公開される。

(石川テレビ)