「保冷剤を温めるのに、電子レンジは使わないでください。本来の使い方ではなく、また保冷剤の包装フィルムが溶けてしまう可能性があります。破裂することも考えられますので絶対にやめていただきたいです」

保温剤は冬場の停電時、冷えが気になる首や腰などの温めや、気持ちをリラックスさせたいときなどに役立てたい。

実はトイレの“凝固剤”には不向き?

最後は、SNSなどで見かける使い方だが、トライ・カンパニーとしてはお勧めできない方法を紹介したい。

それが“簡易トイレ”への活用だ。

簡易トイレの凝固剤(画像はイメージ)
簡易トイレの凝固剤(画像はイメージ)

中身がゲル状の保冷剤は、高吸水性ポリマーが含まれているため、「簡易トイレの凝固剤にも活用できるのでは?」と思うかもしれない。しかし、それは現実的ではないらしい。

「正直なところ、簡易トイレの凝固剤に使うのは、推奨しかねます。

実際の簡易トイレの凝固剤と保冷剤のポリマーでは種類が違います。また、そもそも保冷剤に含まれている高吸水性ポリマーはわずかで、水分をたくさん吸収するほどの性能はないと考えています」

保冷剤のゲルでは手間もかかり量も要るそう(画像はイメージ)
保冷剤のゲルでは手間もかかり量も要るそう(画像はイメージ)

ゲルを塩で分離して乾燥させることで、高吸水性ポリマーだけを取り出すことはできるようだが、尿などの排せつ物を吸収させるには、相当量のゲル状の保冷剤が必要になる。

「どのくらいの保冷剤を用意すれば簡易トイレとして活用できるかはわかりません」とのことで、難しいようだ。

災害時にはこのような活用法もある保冷剤。冷凍庫にいっぱい溜まったからと全部捨ててしまうのではなく、いざという時の備えとして、これらの知識とともにストックしておいてほしい。

プライムオンライン特集班
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