生鮮食品やケーキなどを買った時についてくる保冷剤。捨てるのはもったいないと、とりあえず冷凍庫に入れ、いつの間にか庫内がいっぱいになっていた…。こんな状況は“あるある”ではないだろうか。
そのタイミングで整理することは良いのだが、全部を処分するのは待ってほしい。保冷剤はストックしておけば、災害や停電時に活躍するのだ。
もしもの時に役立つ保冷剤の活用について、保冷剤製造の大手メーカー、トライ・カンパニーの野口明日香さんに聞いた。
冷凍庫に保管しておけば何回も使える
野口さんによると、保冷剤は基本的に冷凍庫で保管しておけば、繰り返し使えるものだという。
ただ、ソフトタイプの保冷剤は「ゲル状の中身のプニプニ感が無くなり水っぽい状態になった」「最初に比べ重さが軽くなった」場合、中身が蒸発していると考えられ劣化している可能性が高い。
このような状態では保冷効果も薄くなり、つまり“処分すべきサイン”なのだそう。
処分のサインが出ていなければ、基本的には保冷剤の性能は落ちていない。災害時のもしもに備えていくつかストックしておくと役立つはずだ。
災害時に役立つ保冷剤の用途
被災時に考えられるのが、電気や水道、ガスなどのインフラの停止。地震はもちろん、台風や大雨などでも使えなくなることがある。
そんな場面で、どのように保冷剤を活用できるのだろうか。野口さんに聞いた。
1)簡易冷蔵庫に
一つ目は簡易冷蔵庫。電力を消費する冷蔵庫は停電してしまうと、庫内の温度が上がっていき、特に生ものの食品などはすぐに傷みやすい。
そんな時に備えて保冷剤を冷凍庫にストックしておけば、冷蔵庫の冷却効果を維持するのに役立つのだ。
冷凍庫内に保管していた保冷剤の一部を冷蔵庫に移し替えれば簡易冷蔵庫に。
また、空き箱などを使ってコンパクトな簡易冷蔵庫を作ってもOK。段ボールでもよいが、保冷性が高く外気温の影響を受けにくい発泡スチロールを使うのがお勧めだ。発泡スチロールの内側に、保冷剤をぐるりと囲えば簡易冷蔵庫が完成する。
「手持ちの保冷剤が少なければ、上の方に配置すると冷却効果がより維持できます。冷気は上から下に流れていきますので、庫内に満遍なく冷気が広がります。
また保冷剤の数に余裕があれば一番下にもおき、上下で挟むことで効率的に冷えを保つことができます」
