「保冷剤は冷凍庫で保管するのが基本になります。そこで劣化のサインが見られなければ、捨てる必要はありません。常温(特に高温多湿の環境)で置いておくと、劣化が早まりますのでご注意ください」
ちなみに冷蔵庫内でも、庫内の食材のにおいが高吸水性ポリマーに移る可能性があるとのこと。やはり冷凍庫に保管するのが望ましいという。
保冷剤の寿命、捨て時のサインは?
保冷剤の特徴が分かったところで、気になるのがその“寿命”。溶けてしまってもまた凍らせることで繰り返し使っていると思うが、性能が落ちたりしないのだろうか。
「基本的に寿命は定めておりません。どちらの種類も普通に使っていただければ、長い期間使えるものなっております」
しかし野口さんによると、使う回数や頻度によっては劣化を招くこともあるという。この劣化を感じた時が、“捨てるタイミング”となる。
「ソフトタイプの保冷剤の包装には、目に見えないほどの小さな穴が開いています。使っていくうちに、そこから水分がほんの少しずつ蒸発していきます。劣化のサインとして“最初の頃と比べて軽くなった”があります。また中身がゲル状のものの場合、もう一つの判断基準があります。
溶けた時に“プニプニ感が無くなって水に近い状態”になったなどと感じたら、処分していただいて大丈夫です。溶ける時間も早くなり、保冷効果も薄くなってしまうのです」
このほか、見た目にも注目。「ソフトタイプの包装表面がボロボロと剥がれ始める」「ハードタイプの容器が破損」したら処分してほしいとのことだ。
排水口に流すのはNG
保冷剤を捨てると決めた時に、困るのはどのように処分すべきか。
「中身が“水100%”でしたら排水口に流しても大丈夫ですが、高吸水性ポリマーを含むゲル状の場合は排水口の詰まる原因になるので、絶対に流さないでください。
ハードタイプの場合も、増粘剤などの水以外のものが入っていますので排水口に流さないでいただきたいです。
また、ゲル状の保冷剤は、各自治体のごみ分別区分に従っての処分をするようお願いをしていますが、燃えるゴミとして分別されることが多いようです」
ゲルの特性を生かした二次利用
保冷剤としての捨てるタイミングや処分方法をお伝えしたところで、最後はちょっと便利な捨てる前の活用方法を紹介。
