ことし6月、大阪市立中学校の3年生が自殺し、教育委員会が「重大事態」と認定して、第三者委員会で調査している問題。
自殺した生徒の両親が取材に応じ、学校の対応への不信感を語った。

■中学1年生のころから教員から暴言 「何度も相談するも改善なし」
男子生徒の父親:ハグしたら『すごく安心する』と言ってそのまま寝る。それぐらい優しくてかわいい子で、そんな子が日曜日に亡くなるのは、すごくつらいです。
男子生徒の母親:すごく宝物だったので、帰って来ないって信じれなくて。帰って来ないって、まだ認めたくない。
大阪市立中学校に通っていた3年生の男子生徒。
ことし6月、いつものように家族と夕食の準備をした後、部屋で自殺し、その後、両親が発見した。
男子生徒の母親:先生がうちの子の胸ぐらをつかんで、『制止した』みたいに言ってるんですけど、他の生徒からは防火扉にドンとやってたって、そういう制止の仕方はないんじゃないかな。
男子生徒の父親:パニック症とかになってしまって、それをちゃかしてしまう生徒がいて、それが嫌だったって。
男子生徒は、軽度の発達障害があったものの、通常学級に通っていた。
中学1年生のころから、「担任の先生から暴言をはかれたり、胸ぐらをつかまれたりする」などと、両親に相談していたという男子生徒。
母親は、スクールカウンセラーなどに何度も相談するも、「改善は見られなかった」という。

■短冊にSOS「早く生き地獄から解放されますように」
男子生徒は、自殺する直前、学校の短冊にSOSを記していた。
男子生徒が書いた短冊:早く生き地獄から解放されますように。
短冊はすでに処分されていて、男子生徒が自殺した後の調査を通じて、両親はその存在を知った。
男子生徒の母親:短冊に『死にたい』って書いたそうで。でも、それは先生に『だめ』と止められて、書き直したのが、『早く生き地獄から解放されたい』。それが何で遺族になる前に教えてもらわれへんかったかな。
男子生徒の父親:それは唯一の本当に最後のメッセージで、後から聞いたのがすごく悔しい。
男子生徒の母親:あの子なりの最後のSOSだった。

■「いじめ」事態を把握するも相談されるまで調査せず
男子生徒の自殺を受けて、大阪市教育委員会は「いじめの重大事態」と認定し、ことし6月から第三者委員会による調査を開始。
学校側はことし4月以降、同学年の生徒による暴言やからかいなどが複数回あったことを把握していたが、両親から相談されるまで、報告せず、「いじめとして調査していなかった」という。
男子生徒の父親:遺書とかそういうものがない。学校で何かあったのか証拠が見えない。今一番の証拠になるのは、クラスのみんなからの証言。知ってること、何かあれば証言してほしい。
男子生徒の母親:守ってほしかった。守れるのって大人じゃないですか。何でその大人が隠すかな。認めてほしいです。
第三者委員会は、9月8日から教師の指導が適切だったかも含めた詳細な調査を行う方針だ。
(関西テレビ「newsランナー」2025年9月2日放送)

■#いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク)
0120-061-338(24時間)
■よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
0120-279-338(24時間。外国語対応)
■いのちの電話(一般社団法人 日本いのちの電話連盟)
0120-783-556(毎日16時から21時。毎月10日午前8時から翌午前8時)
■こころの健康相談統一ダイヤル
0570-064-556
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
子供向け相談窓口
■チャイルドライン(特定非営利活動法人(NPO法人) チャイルドライン支援センター)
0120-783-556(毎日ごご4時からごご9時)
■こどものSOSのそうだんまどぐち(文部科学省)
0120-0-78310(24じかん)
■子どもの人権110番(法務省)
0120-007-110(平日午前8時30分~午後5時15分)