今年は大ぶりで脂の乗りが良い秋の味覚「サンマ」ですが、食べるなら9月中がおすすめだそうです。
その理由を取材しました。
脂がジュワーっとあふれてくる生サンマの塩焼き。
ホクホクの身が食欲をそそるまさに今が旬の「秋の味覚」です。
福岡市東区のスーパーを訪ねてみると、塩サンマが2尾430円、3尾637円とお手頃な価格で販売されていました。
◆エムズ 美和台店 久松浩一 店長
「(今年は)すごい量も取れているということなので、去年の同じ大きさで売っていた商品と比べると(価格は)倍ぐらい違う。半分の値段で販売できている」
今年は数年ぶりの豊漁で、大きくて脂の乗ったサンマが出回っているといいます。
漁業情報サービスセンターによりますと、8月から9月20日にかけてのサンマの水揚げ量は前の年の同じ時期に比べて3.2倍となっています。
スーパーを訪れた人たちも店頭に並ぶサンマに満足しているようです。
◆買い物客
「ついつい買ってしまう。脂がのっている感じがする」
「サンマは本当ににおいしい。はらわたが好き。塩サンマを焼いて食べるのが一番好き」
食卓にとってうれしい今年のサンマ。
ところが、ここにきて異変が起き始めているといいます。
◆エムズ 美和台店 久松浩一 店長
「今週に入って、1ケースあたりの値段が上昇した日もある。生サンマの価格が上昇している」
サンマの価格変化は博多の台所「柳橋連合市場」でも起きていました。
鮮魚店には、当日水揚げされたばかりの北海道産の生サンマも並んでいます。
◆仲西鮮魚店 仲西慶紘 代表
「先週ぐらいまではこのサイズで1本400円ぐらいだったけど、今週が北海道の方が少ないみたいで、1本650円(税抜き)で販売している。サイズ的にはいいサイズ」
1尾あたりの価格が前の週より250円ほど値上がりしていました。
豊漁のはずが一体なぜなのか、水産業に詳しい専門家に聞いてみると…。
◆漁業情報サービスセンター 渡邉一功 部長
「(港で)サンマを処理できる量が大体決まっていますが、その処理能力を超えるような水揚げ量になってしまう日が続くこともあった。このために港は軽いパニックのような状況になっていて、氷が足りなかったり、発泡スチロールが足りなかったり」
港の処理能力を超えるほどの水揚げ量。
そして、年間の漁獲枠に早く達するおそれもあり、再び漁に出るのを24時間から48時間見合わせる「休漁」が始まっているほか、北海道の海がしけていることから市場に出回る量が減っているといいます。
さらに10月上旬ごろに入ってくるサンマはエサが少ないところで育っているため、脂の乗ったおいしいサンマが食べられるのはあと1週間ほどだといいます。
◆漁業情報サービスセンター 渡邉一功 部長
「9月中、遅くても10月の上旬ぐらいには食べると、今年突然出現した太ったサンマを味わえる。タイミングを逃さずぜひ食べてください」