福岡県北九州市のファストフード店で去年12月、中学生2人が殺傷された事件で動きがありました。

異例の8カ月間に及ぶ鑑定留置を終えた44歳の男が26日、殺人などの罪で起訴されました。

◆記者リポート(去年12月)
「事件があった現場です。飲食店の入り口付近を警察が鑑識活動を行っています」

事件が起きたのは去年12月14日の夜。

北九州市小倉南区のファストフード店に入ってきた男が突然、店内にいた当時中学3年の男女2人を刃物で襲い、中島咲彩さんが死亡し、男子生徒が全治1カ月の重傷を負いました。

その後、警察は殺人などの疑いで北九州市小倉南区の平原政徳容疑者(44)を逮捕し、送検しました。

捜査関係者によりますと、調べに対し平原容疑者は「2人と目が合って笑われバカにされたと思った」などと供述する一方、被害にあった男子生徒は「全く知らない人に刺された」と話していて、警察は平原被告が一方的に2人を狙ったとみています。

◆平原容疑者宅の近くに住む人
「なんて言っているのかは分からないが、脅すような怖い声で怒鳴っている」

事件前は自宅で奇声を上げるなどたびたびトラブルを起こしていたという平原容疑者に対して、検察は精神状態を調べるため鑑定留置を2回実施し、期間は異例ともいえる8カ月間におよびました。

◆上原総合法律事務所 上原幹男 代表弁護士
「2人の医師から鑑定結果を出してもらう場合は、捜査機関としてはより慎重な判断を必要としている。異常行動があるのははっきりしているので、犯行に与えた影響がどのようなものなのか、はっきりさせる」

検察は専門家の鑑定結果などを受けて刑事責任を問えると判断し26日、平原容疑者を殺人などの罪で起訴しました。

起訴状によりますと、凶器は刃渡り約11.4センチの狩猟用ナイフだということです。

中学生2人が殺傷され、社会に大きな衝撃を与えたこの事件は発生から9カ月あまりをへて、裁判に向けた大きな区切りを迎えました。

テレビ西日本
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