「私は自他共に認める事件体質である。ささいなことから、めまいがするような大事件まで、日常的にいろいろ起こる。」
(『飼い犬に腹を噛まれる』彬子女王著 ほしよりこ絵 PHP研究所)

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著書「飼い犬に腹を噛まれる」に、自らを“事件体質”と記されたのは、三笠宮家の彬子さま。

彬子さまといえば、イギリス留学中の生活をつづられた「赤と青のガウン」が、ベストセラーとなりましたが…。

9月29日に発売される「飼い犬に腹を噛まれる」は、新聞に連載していたエッセイがまとめられたもので、日本国内での何気ない日常、その中で起きた微笑ましいハプニングなどがつづられています。

皇族の著書としては、随分インパクトのあるタイトルですが、その理由を担当者はこう話します。

PHP研究所 彬子さまの編集担当 桑田和也さん:
その(連載の)中の一編に、「飼い犬に腹を噛まれる」があったんですね。
手でもびっくりするんですけど、手じゃなくて腹なの?っていうところで、タイトルとしてつけてみたら面白いんじゃないかなと思って。
(提案した)一つは正統派と言ったらなんなんですけども、「春夏秋冬、日本で暮らす」みたいなタイトルだったかと。提案した紙を見比べられまして、「こっち」ということで、もう即答で「飼い犬~」の方を選ばれたので。

出版社の担当も引き込まれたという「飼い犬に腹を噛まれる」という衝撃的な出来事。

著書の中ではその理由について、普段は愛想が良くかわいい彬子さまの飼い犬が、彬子さまが子犬を抱く姿に腹を立てたのか、吠えた後にかみついてきたと経緯が書かれており…。

「子犬は無事だったが、私はおかげでお腹(なか)のあたりを思い切り噛まれた。」
「友人たちの間では、『飼い犬に腹を噛まれた姫』として有名になりつつあるお話である。」

(『飼い犬に腹を噛まれる』彬子女王著 ほしよりこ絵 PHP研究所)

作中の挿絵を描いたのは、漫画家のほしよりこさん。
ほしさんは、ネット上で連載されている人気漫画「きょうの猫村さん」の作者です。

漫画家 ほしよりこさん:
殿下から「エッセイが本になるので、挿絵を描いて欲しい」とメッセージがきて、ぜひ、とお答えしました。

ほしさんが特に興味深く描いたというのは、「側衛」という護衛担当と彬子さまの日常です。
ある日、彬子さまが和菓子店を訪れ、会計をしようとしたところ、財布を忘れたことに気がつき…。

「そのときは、信じられないという顔をした側衛さんが代わりに払ってくれ、帰宅して
お金を返そうとしたら、『いいっすよ、このくらい』と言って、珍しくご馳走してくれた。
側衛が傍らにいてくれるのはありがたいものである」

(『飼い犬に腹を噛まれる』彬子女王著 ほしよりこ絵 PHP研究所)

さらに、「晴れ女」だという彬子さまの、大事な日に限って担当になる「強烈な雨男の側衛」のエピソードでは、側衛とのこんなやりとりも書かれていました。

「彼が担当のときは、いつも空を見上げてから車に乗る。後部座席から助手席に宛てて、『期待を裏切らへんね』とか『珍しく私の勝ちやね』などとメールを送るのが楽しみだった。」
(『飼い犬に腹を噛まれる』彬子女王著 ほしよりこ絵 PHP研究所)

彬子さま「私の小さな幸せをお福分け」

前回、単独インタビューを行った『サン!シャイン』は、今回も彬子さまへ著書へのお気持ちを伺ったところ、彬子さまが回答を寄せてくださいました。

彬子さま:
この本には私が日常的に「おもしろい」「楽しい」「うれしい」と思っている様々な事件が詰まっています。読者の皆様には、文章を通して、私の小さな幸せをお福分けできるのであれば、それが大きな幸せです。

「赤と青のガウン」が発売された際は、書店で自著を手に取る女性客に声をかけ、サインをしたというエピソードを話してくださいましたが、今回も書店に足を運ぶ予定はあるのでしょうか。

彬子さま:
本屋さんパトロールは日常的にしておりますので、またそのような素敵な出会いがあればいいなと思っています。
(「サン!シャイン」 2025年9月26日放送)