市町村長の判断でクマなどに発砲が可能となる「緊急銃猟」が始まり、9月半ばに全国で初めて鶴岡市長が発砲を許可した。

25日、天童市で県警など関係機関が集まって「緊急銃猟」の実地訓練が県内で初めて行われた。

参加したのは、天童市の職員や県警・猟友会などあわせて約100人。
この訓練は、市街地に現れたクマなどに対し発砲を可能とする「緊急銃猟」について学ぶのが大きな目的で、この訓練は県内で初めて行われた。

9月に始まった「緊急銃猟」は、以下の4つの条件を満たす場合に市町村長が発砲を許可する新しい制度。
1)クマなどが市街地などに侵入するおそれがある
2)緊急性がある
3)銃以外では捕獲が困難
4)住民に弾丸が当たるおそれがない

9月20日、鶴岡市の住宅の敷地内にクマが居座り、市長が猟友会に発砲を許可。
市町村長が「緊急銃猟」の許可を出したのは、鶴岡市が全国初だという。

(発砲音)
「バン!」

結果的には、目を覚ましたクマが近づいてきたため、現場の警察官の指示で猟友会が発砲し駆除された。
市長の判断が現場に伝わる前に駆除されたため、全国初の「緊急銃猟」とはならなかった。

鶴岡市のケースでは、市長からの発砲許可が短時間で出たが、県の担当者は「緊急銃猟を適用するのはほかの自治体ではまだそう簡単ではない」と指摘する。

(県みどり自然課・木内真一課長)
「環境省で『緊急銃猟のガイドライン』が出されたのが7月末。約1カ月後の9月1日に制度施行と時間がない中、市町村の準備がなかなか進まないのも承知している。きょう(25日)の訓練で課題を吸い上げ、市町村に横展開を図るなどして円滑な運用に向けて支援を続けていきたい」

具体的には、「地元猟友会との調整」「クマ用の盾やヘルメットなど備品の購入」「運用マニュアルの整備」などが必要で、県内の多くの自治体ではまだ準備が整っていない。

緊急銃猟を行うためのハードルはまだ高いのが現状。

さくらんぼテレビ
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