佐賀県警の科捜研による不正なDNA鑑定が7年間も続いていた問題をめぐっては、県議会の常任委員会でも外部による検証の必要性が指摘された。しかし県警は「第三者による機関の設置は必要ない」の一点張りだ。
第三者による検証 県議会でも指摘
佐賀県警の科捜研職員がDNA鑑定記録の改ざんなど不正な作業を繰り返し、7年間で130件の不正が確認された問題については、佐賀県議会の常任委員会でも質疑が行われた。

この問題をめぐっては、外部の有識者などが調査する「第三者委員会」の設置を求める声が高まっている。
佐賀県弁護士会は9月22日、臨時の会見を開き「組織的欠陥によるもので第三者による客観的な調査を実施すべき」と訴え、「第三者委員会の設置は必要ない」と県議会の本会議で答弁した県警の姿勢を強く批判した。
「第三者委は必要ない」の一点張り
9月25日に開かれた県議会の常任委員会では、委員の土井敏行県議が「外の目を入れる、意見を聞く、そういう姿勢が必要じゃないか」と第三者による検証の必要性を指摘した。

これに対し佐賀県警の福田本部長は、次のように先日の本会議と同様の見解を繰り返した。
佐賀県警 福田英之本部長:
本事案を受けて第三者機関といった新たな組織・新たな機関を設置するといったことについては、その必要があるとは考えていない

県警の福田本部長はこのように答え、「調査の対象が多くの具体的な事件捜査に関わる」「高度な専門性がなくても調査の是非は評価できる」などとして、第三者委員会の設置の必要性を改めて否定した。
7年間も不正に気づかなかったのは?
また、委員からは7年間も不正に気づかなかった原因についても質問があった。

これについて県警は「幹部職員の適切な業務管理が行われていなかった」などと説明。今後はチェック体制を強化するため、DNAの鑑定作業をする際は上司が各段階で立ち合い記録や資料を確認する再発防止策を説明した。

7年間で130件が確認された県警科捜研の不正なDNA鑑定。司法の信頼にかかわるこの問題について県警は「第三者による機関の設置は必要ない」の一点張りだ。