旧優生保護法のもと、障がいなどを理由に不妊手術を強制された被害者に対し、補償金を支払うことを定めた法律が施行された2025年1月以降、岩手県内で補償が認定されたのは3件にとどまっていることが明らかになりました。

障がいのある人などに対し不妊手術を強制することを認めた旧優生保護法を巡っては、2024年7月に最高裁で違憲と判断され、2025年1月、被害者本人に1500万円支給することなどを定めた補償法が施行されました。

この法律のもと県内では478人が不妊手術を受けていますが、県によると、9月1日までの補助金の申請件数は6件で、このうち認定されたのは3件にとどまっています。

全国での補助金の認定件数は8月時点で1317件で、不妊手術を強いられた約2万5000人のうちの5%程度ですが、岩手県では被害者全体の0.6%と少なさが際立っています。

県子ども子育て支援室では「障がい者施設などを対象とした2018年の調査で、71人分手術の記録が確認されたが、それは直接個人を特定できるものではなく、補償を通知するには至っていない。県として施設に立ち入るなどの権限もない中、さらに詳しく調査するのは難しい」としています。

一方で優生保護法被害全国弁護団の新里宏二共同代表は「都道府県ごとで認定件数の差が出ている。岩手県には加害者意識が足りないのではないか。国は認定が進んでいる地域の事例を全国で共有するなどもっと真剣に取り組むべき」と指摘しています。

岩手めんこいテレビ
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