遅くまで仕事をして家に帰ってそのままベッドへ。睡眠時間を確保するためにしている行動が、実は疲れが取れない行動をしているかもしれない。

心療内科医・森下克也さんの著書『「月曜の朝がつらい」がなくなる本』(三笠書房)から、忙しい人こそやってはいけないNGな眠り方を一部抜粋・再編集して紹介する。

「帰宅してバタンキュー」はNG

よく寝たのに疲れが取れないというようなことは、何も神経質な人に限ったことではありません。夜遅くまで残業をして、帰宅後は食事も入浴もそこそこ、バタンキューとばかりに寝てしまうような人なら誰にでも起こりえます。

仕事中、一般的に人は張りつめ緊張しています。交感神経の緊張状態です。ビジネスのさまざまな状況に対処するため、血圧は高めに設定され、脳血流は増え、瞳孔は開き気味、筋肉は緊張しています。

帰宅してすぐ寝ようとしても緊張状態が続いている(画像:イメージ)
帰宅してすぐ寝ようとしても緊張状態が続いている(画像:イメージ)
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寝るにあたっては、これらは真逆の状態にならなければなりません。つまり交感神経から副交感神経の優位な状態に切り替わる必要があるのです。

ところが、出社時刻の午前9時ごろからずっと交感神経の緊張が続いていると、身体がその状態に慣れてしまい、帰宅したからといって容易には切り替わりません。

すると、交感神経の緊張したまま、つまり身体が活動モードのまま寝床に入るということになってしまいます。頭は冴え、体温は下がらず、筋肉は固く緊張したままです。