ネット上で波紋広がる

宮城県栗原市議会の傍聴席で、脱帽を拒否して議長の退去命令にも応じなかった77歳の男が現行犯逮捕されたというニュースに、ネット上ではさまざまな反応が寄せられている。

男は、過去にも同様の“脱帽トラブル”を起こしていたとされ、今回ついに建造物不退去の疑いで現行犯逮捕。議会という公共の場での“こだわり”の末の逮捕劇に、「高齢者トラブル」「ルール違反」「民主主義の場での秩序維持」など、複数の観点から注目が集まっている。

「その場のルールに従うのは当然」傍聴のマナー違反に厳しい声

最も多かったのは、「その場のルールに従うべき」「わがままな大人が増えた」といった声だ。議会には傍聴規則があり、帽子やコートの着用は原則禁止。正当な理由がある場合は事前申請が必要とされている。

「何歳だろうと、その場のルールには従わないといけない。意固地になって議会の進行を妨げるのは論外です」
「傍聴席は議事の妨害をする場所じゃない。指示に従えない人がいるのは残念」

「議長の指示を無視するのは常識外れ」という声の一方で、「大人なのに子どもじみた対応をしている」と失望をにじませるコメントも見られた。

「毅然と逮捕は当然」民主主義の場での秩序維持を支持する声

逮捕容疑は「建造物不退去」。公共施設に居座り、正当な理由なく退去命令に応じなかった場合に適用される罪だ。

「不退去罪で逮捕ってことは、相当ごねたんだろうな」
「国会のヤジも含めて、民主主義の場での秩序は守られるべき。毅然と刑事事件にしてよかった」

中には、過去の政治的騒動やヤジ騒ぎを引き合いに、毅然とした法執行の必要性を訴える意見もあり、「民主主義の根幹に関わるからこそ厳格に対応すべき」という立場が支持されていた。


「居眠りスペースだったのでは?」背景にある“生活困窮”や“孤独”

一方で、事件の裏にあるかもしれない社会的背景や高齢者の孤立・困窮に目を向ける意見もあった。

「年金暮らしで電気代を節約するなら、涼しい議場で時間をつぶすのは理にかなっている。議会の中身なんてどうでもよくて、ただの居眠りスペースなのかも」
「逮捕されても身の安全は確保される。そう思えば、あえて騒ぎを起こしてしまうのかも」

こうした声は、高齢化社会における孤立や貧困、公共空間の“逃げ場”としての機能にも通じており、「単なる迷惑行為」と切り捨てられない現実をにじませている。

「いい歳して何を意固地に」過去の“3度目のトラブル”に批判も

今回逮捕された77歳の男は、7月と9月にも同じようにハンチング帽を着用して傍聴。注意を受けながらも脱帽を拒み、9月17日には退去させられていたという。

「1回目は無視、2回目は却下と叫び、3回目は逮捕。いい歳して何を意固地になっているんだか…」
「ファミレスや病院でトラブル起こす高齢者と同じ。これからこういう人が増えると思うと不安」

ネット上では、「攻撃的な高齢者が増えている」「社会的対策が必要だ」といった声もあがっており、今後の類似トラブルへの不安をにじませるコメントも目立った。


“市民の声”が映し出すもの

この一件は、単なる「脱帽拒否」という些細なトラブルに見えるかもしれない。しかし、そこにはルールとマナー、表現の自由と秩序、個人のこだわりと社会的背景といった、現代社会のさまざまな要素が絡んでいる。

ネットに寄せられた市民の声は、今の日本社会が直面している「高齢化」「公共空間のあり方」「民主主義のルール」という問題をあぶり出す鏡でもある。

仙台放送
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