熊本県内初のシングルモルトジャパニーズウイスキーが誕生した。山鹿市の『山鹿蒸溜所』が、9月16日に発表した新商品を取材した。
その名も『山鹿ザ・ファースト』
まず『シングルモルト』とは、原料に大麦麦芽のみを使用し、一つの蒸溜所のみで蒸溜され、瓶詰めされたウイスキー。蒸溜所やその土地ならではの個性が出やすいのが特徴だ。

2022年に山鹿市鹿央町に誕生したウイスキーの『山鹿蒸溜所』。以前ここでは焼酎生産を行っていたが、冬と夏の寒暖差が大きい土地柄を生かし、ウイスキー造りに乗り出した。

仕込み水に、菊池川水系の良質な地下水を使用し蒸留した原酒は、バーボンウイスキーなどの樽で最低3年間貯蔵。樽の成分が原酒と反応することで、琥珀色のウイスキーへゆっくりと変化していく。

16日は蒸留後に3年間寝かせた商品の発表会が行われ、自慢のボトルがお披露目された。その名も熊本県内初のシングルモルトジャパニーズウイスキー『山鹿ザ・ファースト』。

味のキーワードは『エレガント』そして『フルーティー&クリーミー』で、女性らしい優しさと甘味が特長のウイスキーに仕上がっている。

山鹿蒸溜所の本坊正文社長は「自然が豊かで水も良いですし、山鹿でしかできないお酒を造っていくことで、『熊本』という風土が表現できれば」と話す。
拡大見せるジャパニーズウイスキー市場
蒸溜所ができたとき最初に生み出された原酒『ニューポット』と、今回完成した『山鹿ザ・ファースト』を並べると、当初は透明な液体が樽の中で3年の熟成を経て、だんだん琥珀色へと色づいたのが分かる。

日本のウイスキー、いわゆる『ジャパニーズウイスキー』が著名なコンテストで賞を取るなど、世界中で高い評価を受けている。ウイスキーをテーマにしたドラマやハイボール人気も追い風となり、ウイスキーの輸出金額は2013年に約40億円だったが、2023年には500億円と、10年で12.5倍の伸びを見せている。
(テレビ熊本)