小浜市の寺に安置されている国指定の重要文化財の観音像が17日、年に一度の御開帳を迎えました。過去に4度の盗難被害にあいながらも、無事に戻ってきたという受難を乗り越えた観音さまです。
      
御開帳されたのは、小浜市・太良庄の正林庵に安置されている国指定の重要文化財「銅造如意輪観音半跏像」です。奈良時代のものとされ、指先を軽く頬にあてたあどけない優しい顔が特長です。
  
年に一度の御開帳の日は、地元の人による法要が営まれました。
  
実はこの観音さまは、これまでに4度の盗難に遭っていて、そのたびに無事にこの地に戻ってきたという霊験あらたかな観音像です。

江戸時代に盗難にあった際は、地元の庄屋の甚兵衛が京都で観音様から声を掛けられて、連れて帰ったとされています。また、4度目の盗難は1958年(昭和33年)で、鳥取県で見つかりました。
  
これ以上盗難の被害に遭わないようにと、地元の人が収蔵庫を建て大切に守っています。
 
法要に参加した近所の女性は「日々の生活で困り事があると観音様に手を合わせたくなる身近な存在」と話します。
 
正林庵の法要当番代表の山本定夫さんは「昔からこの観音様のおかげで皆が平和で無事に過ごしている。区民の拠り所となる観音様なので大切に守っていきたい」と話しています。
   
4度にわたる盗難にあいながら無事に戻ってきた不思議な観音さま。地域の人の厚い信仰を受け、大切に守り継がれています。

福井テレビ
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