ついに横浜市で”異臭”の空気を採取することに成功

6月以降神奈川県で毎月のように起きている原因不明の異臭騒ぎ。

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住民A:
普通のガスの臭いじゃない

住民B:
お魚が腐ったみたいな臭い

住民C:
なんかゴム臭いねって、なんか燃えてんじゃないって

この異臭、これまでは消防などが到着した時にはすでに消えていて、正体がなかなかつかめなかったが、12日についに横浜市消防局の職員が消防局4階の渡り廊下で異臭のする空気を採取することに成功した。

異臭を採取した横浜市消防局の渡り廊下
異臭を採取した横浜市消防局の渡り廊下

採取したのはポンプとビニール袋

どのように採取されたのか、取材班は横浜市役所へ向かった。

横浜市役所 大気・音環境課 鈴木孝課長:
こちらにあるポンプとビニール袋を使いまして、保土ケ谷区の方でサンプリングをしております。
消防隊が行った時にはもうすでに臭いがなくなっているという状況がずっと続いてましたので、今回はサンプリングできたというのは大きな成果だと思っております。

採取に使われるポンプとビニール袋
採取に使われるポンプとビニール袋

今回の採取で期待されるのが異臭の原因の特定。実際に採取された空気は現在どうなっているのだろうか。

横浜市役所 大気・音環境課 鈴木孝課長:
こちらでは分析できませんので、横浜市の環境科学研究所の方に持ち込んでただいま分析中です。

異臭の分析は横浜市の研究施設

取材班はさらに分析が行われている横浜市環境科学研究所へ向かった。案内されたのは分析室が見える部屋。

横浜市環境科学研究所 百瀬英雄所長:
向こうの壁側にあります。2台2セットの分析機器を使って分析をしております。

--実際に採取されたものはどちらに?
横浜市環境科学研究所 百瀬英雄所長:

採取されたものはもうすでに分析のために移し替えました。昨日採取された時の容器はこちらに置いてあるこの2つの袋です。

実際に異臭のする空気を採取した袋はすでに空。現在、採取された空気は、分析装置の一部、銀色の容器の中に入っているという。

横浜市環境科学研究所 百瀬英雄所長:
空気の中に含まれている成分を分離して、どういう物質が入っているかというものを調べております。

空気の分析はすでに始まっていた。これまでに分かったことはあったか。

横浜市環境科学研究所 百瀬英雄所長:
分析して大体の目安というところはつけてきてるんですけど、我々としては市民の方の安心安全ということで仕事をさせていただいておりますので、結果に関してはしっかりと確認をした上で公開をしたいと思っております。

「ガソリンに含まれる物質」検出

その分析結果について夕方、横浜市が会見し、異臭についてガソリンなどの蒸発ガスに含まれる物質が検出されたことを発表した。

横浜市によると、消防局の庁舎でも同じような異臭が確認されたため、空気を採取し分析した結果、ガソリンなどの燃料の蒸発ガスなどに含まれる、イソペンタンやペンタン、ブタンが通常の大気中よりも高い濃度で検出されたという。

発生源は分かっていないが、直ちに健康への影響はないという。

神奈川県では、これまでに横須賀市や三浦市などでも異臭騒ぎが起きていて、今後、横浜市は、
神奈川県などと連携し調査を続ける方針。

(「イット!」10月13日放送)

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