鯖江市内で80代の女性1人が死亡した火事。発生から約3カ月後の9月16日、女性の長男で50代の男が逮捕・送検された。近所付き合いはほとんどなく、長男は「無口な印象だった」というこの親子に一体、何があったのか。
火事発生から3カ月後、退院当日に逮捕
2025年6月22日、鯖江市で住宅5棟が焼け、火元とみられる住宅の焼け跡から82歳の女性の遺体が見つかった。

警察は9月16日夜、同居していた54歳の長男を放火の疑いで逮捕し、翌日送検された。

火事の後、男は行方が分からなくなっていたが、4日後に衰弱した状態で発見され、16日まで入院していた。警察は退院した男から事情を聞き、容疑が固まったことから逮捕した。「火を付けたことは間違いない」と容疑を認めている。
死亡の母親は自力では歩けなかった
出火当時、この家には亡くなった82歳の母親と次女、容疑者の男の3人が同居していたが、次女は外出していて無事だった。死亡した母親は当時、自力で歩行するのは困難な状態だったという。

近所付き合いなく…男は大人しい印象
逮捕を受けて改めて現場に向かうと、住宅は全焼したままの姿で残っていた。黒く焼け焦げた骨組みだけが残され、激しく燃えたことをうかがわせる。この1階部分で、母親は遺体で発見された。

近所の人に親子について尋ねるも、多くの人が口を閉ざす中話してくれた人はー

「話したことないんです。付き合いがまったくないからね」
また、ある住民は、逮捕された長男が「母親を病院に連れていくこともあった」と話す。長男は、無口で大人しい印象だったという。
ただ、親子は近所との付き合いがほとんどなく、当時の家族関係は分かっていない。

警察は具体的な放火の方法や動機、母親が死亡したいきさつなどを調べている。