犬のために準備しておくもの

非常時に必要なものも準備しておこう。

まず愛犬の命を守るのに最優先で準備しておきたいものは、ドッグフード(特に療養食)と持病の薬だ。

「支援物資は人間が優先。東日本大震災の時、仮設住宅で避難生活を送っていた方に調査したところ、発災後の半年間に1回もペット用品は来なかったという地域もありました。ですからフードは最低でも1カ月分は常にローリングストックで備蓄しておくことをお勧めします」

ローリングストックとは、フードなどを少し多めに買っておき、賞味期限の近いものから普段のご飯として使い、新しく買い足して常に一定量を備蓄する方法。

非常用グッズリスト(『決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK』より)
非常用グッズリスト(『決定版 犬と一緒に生き残る防災BOOK』より)

そして、同行避難をすることになった場合に欠かせないのは、キャリーバッグとリードまたはハーネスだ。

災害時の避難の基本は徒歩となる。

その際、小型犬は徒歩で連れて歩くよりも、キャリーに入れて運んだほうが素早く移動できる。移動の際には両手が空くように、リュックタイプか肩掛けできるものにして、避難所で生活するために必要なクレートは、いったん避難した後からでも持ち出せる場所に保管しておくのも一案。

中・大型犬の場合はリードかハーネスを付けて一緒に歩いて避難する。その際、可能なら靴を履かせると、飛散したガラス等によるケガを防げる。予備のリードやハーネスも用意しておくとよい。なおロングリードや伸縮リードは事故につながる恐れがあるのでノーマルタイプがお勧めとのこと。

避難所によっては、狂犬病などのワクチンの接種証明書の提示を求められることもある。

「とっさの状況ではなかなか接種証明書まで気が回らないでしょう。そこで、各種の接種証明書や飲ませている薬などは、スマホで撮影して保存しておくことをお勧めします」