このような姿勢を取る理由は、頭部と手足を含め、身体の背面すべてが布団(マット)に接するようにして、体重を支える力を均等に分散させ、身体のどこか一カ所に負担がかからないようにするためです。これに加えて、あごの力を抜きます。
このやり方を覚えていただくことで、Eさんは朝リラックスして起きることができるようになり、だるさも取れました。薬などまったく必要なかったのです。
「寝つけない」解消!睡眠術
まず、寝つけないとはどういうことかを考えてみましょう。
寝つけないで布団の中で悶々としている状態を想像してみてください。このとき、頭の中では何が起きているでしょうか。
眠れない寝床の中で、ああでもないこうでもないと、あれこれつぶやいています。「早く寝なきゃなあ」「このままだとまた起きられないぞ、困ったなあ」などです。この「頭の中での独り言」が、寝つけないことの元凶なのです。このつぶやきを消していきます。

では、どうするか。声を出してしゃべっているのを止める感覚で、心の中のつぶやきを止めてみます。おそらく、しばらくはできても、その数秒後にはまた何かをつぶやいていることでしょう。でも、あきらめてはいけません。繰り返し、つぶやきを止めます。
そのコツは、心の中で「アー」と発します。そして、15から20秒後にプツッと止めます。しばらく頭の中が無音の状態になります。すると、また何かしら言葉が出てくるので、すかさず「アー」でこれを消去してください。
慣れてきたら、発する時間を延ばしていきます。息継ぎは必要ないので、際限なく延ばすことができます。延ばしていくうちに、自然に眠りに落ちていることでしょう。