スキー場の挑戦です。長野県松本市の「マウント乗鞍スノーリゾート」が12月13日、今シーズンの営業を始めました。運営会社の経営難などで2024年秋、一度は営業を断念しましたが、地元有志の運営で昨シーズンは何とか乗り切りました。今シーズンも地元運営を続け、好評だった子ども向けサービスをさらに拡充させています。

■待望のシーズン開幕

松本市の「Mt.乗鞍スノーリゾート」。

12月13日、今シーズンの営業がスタートしました。

天候にも恵まれ多くの親子連れが訪れました。

愛知県から(子ども):
「(スキー)好き!」

市内から(子ども):
「滑りやすかった。天気最高」

市内から(母親):
「(オープンを)待っていました。良かったです」

Mt.乗鞍スノーリゾート運営協議会・山口謙代表:
「(オープンできて)ホッとした。リフトが動いて、お客さんが滑って、楽しそうに滑っているのは、やっぱホッとした」

■スキー離れとコロナ禍で閉鎖の危機

1961年にオープンした「Mt.乗鞍スノーリゾート」。

ブームだった80年代から90年代は1シーズンに15万人前後が訪れる人気のスキー場でした。

しかし、その後、スキー人気の陰りや雪不足、コロナ禍も追い打ちとなって利用者が減少。

2023年ー2024年シーズンは4万人弱まで落ち込み、2024年秋、当時の運営会社が営業継続を断念しました。

Mt.乗鞍スノーリゾート運営協議会・山口謙代表(当時):
「どうしようという感じですね。自分の商売自体もガイド業ですし、スキー・スノーボードのレッスンやっていますから、いろんな心配がありました」

■住民有志が立ち上がり存続へ

地元経済への影響が大きいスキー場の休止。地元の住民有志などが「運営協議会」をつくり、ひとまず、住民主体で営業を続け次の担い手を誘致しようと考えました。

必要な資金はクラウドファンディングや支援金などで集め何とか営業にこぎつけました。

昨シーズンの営業が無事始まり―。

利用者:
「今シーズン、もしかしたらやらないと聞いていたので、どうしようかなとドキドキしていた」

Mt.乗鞍スノーリゾート運営協議会・山口謙代表(2025年1月):
「スキー場が愛されているんだなと思いますし、何とかこれで前を向いていければと非常に強く思っています」

■子どもリフト無料化で来場者1.2倍

協議会は「ファミリー」をターゲットに据え、集客の目玉として18歳以下のリフト券を無料化。

雪にも恵まれ、来場者数は約4万3000人と前のシーズンの1.2倍。売り上げも1.2倍に増えました。

昨シーズンの「好調」が今シーズンの営業につながったのです。

12月13日、今シーズン営業初日―。

Mt.乗鞍スノーリゾート運営協議会・山口謙代表(2025年1月):
「今年も皆さんみたいに来てくださる方々のために私たちはやっていますので、ローカル色満載のこのMt.乗鞍スノーリゾート、ぜひぜひ応援していただいて、たっぷり滑っていただければと思います」

地元有志が運営する2シーズン目がスタート。

雪の関係で、まだすべてのコースを利用することはできませんが、年末には全18コースが滑走可能になる見通しです。

■リピーターが語るアットホームな魅力

利用客は―。

市内から:
「楽しい。100回くらい来ているね。雪質がいい!雪降った次の日なんか最高」

こちらは東京の親子。ここ5年ほど、毎シーズン訪れています。

東京から(子ども):
「リフトとかでおしゃべりできたり、滑ってすぐこけちゃうけど、(スキー)大好きです」

スキー場のファンで、2024年のクラウドファンディングに参加。その時の返礼品である「限定パーカー」を着て訪れました。

東京から(父親):
「アットホームなところがいいですよね、単純にスキーを滑るだけでなく、地元の人たちが頑張ってここを運営・経営しているというのが見えるので、その人たちに会いに来るのも一つの楽しみだから、ここに来ちゃいますね。応援しています。乗鞍を、応援しているし、好きだし、好きだからずっと続けてほしい。なくなっちゃったら僕が困る」

■小学生以下は温泉も無料!新サービス

協議会は運営と同時に来シーズン以降の営業を担う企業・団体の誘致も行っています。

昨シーズンは一定の成果を上げましたが、今シーズンの成績も重要となります。

集客の目玉であった18歳以下のリフト券無料は今シーズンも継続。

さらに小学生以下の子どもには、スキー場近くにある温泉施設の無料券を配るサービスも始めました。

岐阜県から:
「(もらったのは)入浴券です、温泉の。ありがたいですね。ありがたいし、18歳以下は無料だし、すごくいいな」

■ゲレンデグルメ!名物山賊バーガー復活

レストランのメニューも充実させます。

昨シーズンは温かなうどんがメインでしたが、かつて、レストランで人気だった中信地域の名物「山賊焼き」をバンズで挟んだ「山賊バーガー」も復活させる予定です。

一度、継続が断念されその後、住民の力で営業が実現した「Mt.乗鞍スノーリゾート」。

2シーズン目となる今シーズンは、さらなる利用者の増加を目指します。

Mt.乗鞍スノーリゾート運営協議会・山口謙代表:
「今シーズン、昨シーズン以上の入り込みが見込めたらうれしい。そこで実力を示して次の相手先に渡せたら一番いいのかな。地域にとって(スキー場は)大きな産業、将来に持続可能な形になるよう頑張っていけたら」

長野放送
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