あらゆる場面で私たちは何かを選び、選ばれることを繰り返している。
さらに、ネットやSNSなどが浸透することで、選ばれる場面や選ばれる機会が広がったが、選び続けてもらうことの意味や基準も複雑になってきた。
歯科医師として30年以上臨床の現場に立ち、これまで90冊以上の本を執筆してきた、井上裕之さん。選ばれることは「生存戦略」でもあり、これからの社会を自分らしく生きるために「誰が」「なぜ」選ばれるのか、本質や価値と向き合う必要があるという。
一方で、そんな時代だからこそ「頑張りすぎてしまう人」もいる。著書『選ばれる人の100の習慣』(日経BP)から、自分を整えるために実践できるシンプルな習慣を一部抜粋・再編集して紹介する。
すぐにスタートを切ろう
【前進し続けるスイッチを持つ】
「あとでやろう」と思ったのに、スタートをずるずる先延ばしにしてしまったことはありませんか?選ばれる人は「すぐにスタートを切る」というシンプルな習慣を大切にして、不要な負荷がかからないようにしています。
すぐにできること(=時間のかからないこと)であれば、その場で片づけて、次のスタートがスムーズに切れるようにします。
すぐに終わらないこと(=時間のかかりそうなこと)でも、ためらわずにまずは「小さなスタート」を切ります。その場合、完了までやる必要はありません。
大切なのは、「とりあえず動く」ことです。
1ページだけでも見てみよう
たとえば、資料確認の依頼があったとしたら、まず1ページだけでも見てみる。すると、ほかの用事で確認を中断しても、「資料を見る」という行動の流れができているため、効率的に作業を進めることができます。
資料が届いた瞬間に、「あ、やらなければ」という気持ちが小さくとも生まれているからです。
もしその気持ちをスルーして「これが終わってからやろう」と後回しにすれば、「やらなければ」というスイッチが消えてしまいます。
すると、再び取りかかるのにエネルギーが必要になります。車と同じで、エンジンを切ってしまうと、再始動に時間がかかってしまうのです。
しかし、1ページでも読み始めておけば、それだけでスイッチがオンになり、「やらざるを得ない」気持ちが生まれるのです。すぐ終わらなくても、手をつけた時点で流れが生まれ、気持ちも前に進みやすくなります。
この考え方は、人間関係でも活かせます。
