東京・赤坂の個室サウナで起きた火事で、死亡した2人が30代の夫婦であることがわかりました。
15日正午過ぎ、港区赤坂の個室サウナで、サウナ室内の座席や壁が焦げる火事があり、利用していた30代の男女が死亡したものです。
警視庁によりますと、亡くなった2人は美容室経営の松田政也さん(36)と妻・陽子さん(37)であることがわかりました。
松田さん夫妻が発見された際、サウナ室に出入りする扉のドアノブは内側と外側の両方とも外れ床に落ちていたことがわかっていて、2人が扉を開けられず、サウナ室に閉じ込められた可能性もあるということです。
サウナ室には非常用ボタンがあり、押されたような形跡があったということですが、正常に作動したかどうかはわかっていません。
現場には燃えたタオルが残っていて、警視庁は16日、現場検証を行い、出火原因と2人の死因を詳しく調べています。
ドアノブが外れていたなど当時の状況が徐々に明らかになってきました。
捜査関係者などへの取材で分かった新たな情報をまとめました。
取材に基づいた今回火事があった個室サウナのイメージでは、休憩スペースから水風呂を通ってサウナに入っていく間取りになっていたといいます。
亡くなった男女がサウナ室の入り口付近で仕切りの扉に頭を向けるような形、そして女性の上に男性が重なる形で倒れていたということです。
そして、サウナ室内には焦げたタオルがありました。
非常用ボタンが押されたような形跡があったということですが、作動したかどうかは不明だということです。
そして、サウナ室のドアに関しても詳しい情報が分かってきました。
現場のドアと同じものかは分かっていませんが、店のSNSに投稿されていた写真では、持ち手が木製でL字のドアノブとなっていて、下にガチャンと押して扉を開けるタイプのドアだったということです。
捜査関係者によりますと、2人が発見された際、ドアノブが内側と外側の両方とも外れていて、2人は扉を開けられなくて中に閉じ込められた可能性があるということです。
このL字のドアノブについて、元東京消防庁・特別救助隊の田中章さんは「サウナでこのようなドアノブは見たことがない」と話し、サウナは高温多湿になるため「“パニックドア”といわれる内側から押すだけで開くドアが一般的」だと指摘をしていました。
16日、警視庁が現場検証を行い、出火と死亡との関連を調べています。
元東京消防庁・特別救助隊の田中章さんは、出火原因について、タオルなど可燃物がサウナストーブに落ちるなどして火災が発生した可能性を指摘しています。
そして、亡くなった男女が倒れていたことに関しては、サウナ室から出られなくなって熱中症になった可能性もありますが、田中章さんは、サウナストーブの不具合で不完全燃焼が起き、一酸化炭素中毒で意識を失ったということも可能性の1つとして考えられると話していました。
──設備上の不備はなかった?
実は今回火災があった個室サウナ店は、2023年4月に保健所の立ち入り検査を受けていて、その際には設備上大きな不備はなかったということです。
一方で、田中章さんによると、保健所は衛生面を中心に見る一方、消防は防火対策や避難経路を中心に見るということです。
また、消防は最低でも3年に1回は立ち入り検査に入ると考えられるため、検査に入っていれば押すだけで開くドアに変えるように指導した可能性も指摘しています。
青井実キャスター:
安全面の点検は求められるわけですよね。
SPキャスター・山口真由氏:
サウナについては、消防庁がかなり細かく条例で設置していますが、出入り口については、私が見る限り、炎とか煙を遮断するものはすごく細かく規定があるものの、逃げる時にどう開閉するかの規定はないように思ったんですね。もしそうであるなら、それが十分であったのか点検が必要かなという気がします。