ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ侵攻をめぐる和平協議が不調に終われば「軍事的手段で歴史的領土の解放を成し遂げる」と述べ、領土問題で妥協しない考えを改めて示しました。

プーチン大統領は17日、ロシア国防省の1年間の活動を総括する会合で演説しました。

この中で、ロシア軍が2025年、ウクライナで300カ所以上の集落を制圧したと主張し「前線全体で戦略的主導権を握っている」と強調しました。

さらに、「特別軍事作戦の目標は必ず達成される」と述べた上で、「外交による解決を望んでいたが、相手側とその支援国が真剣な対話を拒否するなら、ロシアは軍事的手段で自らの歴史的領土を解放する」と語りました。

演説では軍備強化にも言及し、核弾頭の搭載が可能な原子力推進式巡航ミサイル「ブレベスニク」や原子力魚雷「ポセイドン」の試験が成功したとしています。

また、新型の中距離ミサイル「オレシュニク」を年内に実戦配備する考えも示しました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は17日、アメリカとウクライナの和平協議をめぐり、「ロシアはアメリカ側からの情報提供を待っている段階だ」と述べ、現時点で具体的な進展はないとの認識を示しました。

さらに、ベロウソフ国防相は2025年、ロシア軍が制圧した面積は約6000平方キロメートルで、2024年より約3割増えたと主張しています。

一方で、ウクライナ側はロシアの制圧発表を否定していて、戦況をめぐる双方の主張には隔たりがあります。

フジテレビ
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国際取材部
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