北陸新幹線の大阪延伸をめぐり、石川県選出の国会議員でつくる自主研究会は米原ルートと湖西ルートが着工条件を満たす可能性が高いとして、ルート採用の「比較検討の対象とすべき」とした中間報告を取りまとめました。
北陸新幹線の敦賀から先、大阪までの延伸をめぐっては、自公政権だった2016年に福井県小浜市から京都を通り大阪までつなぐ「小浜ルート」が採択され、2023年度に着工するはずでしたが、地下水の問題などから京都で反対運動が起こるなどし、着工の見通しが立っていません。
こうしたことから去年、石川県選出の国会議員は自主研究会を立ち上げ小浜ルートのリスクや代替案となるルートの工期や費用対効果などを独自で試算していました。
21日は中間取りまとめが報告され想定される開業時期について小浜ルートが2050年代初めとする一方で米原ルートにすれば、2040年代初めになる可能性が示されました。このため、事業費も米原ルートが小浜ルートよりも3兆円ほど抑制されるとしています。
また湖西ルートは整備区間が京都までであることから、京都で乗り換えすることにすれば、事業費は1.3兆円と小浜ルートよりも2兆円あまり抑えられるとしました。
こうした試算から研究会では米原ルート、湖西ルートについてルート採用の「比較検討の対象とすべき」と判断しました。
また新たなルート選定で沿線自治体から負担が生じるとの懸念の声が出ていることについて、北陸新幹線は関西圏にも大きな投資効果があることに理解を得る努力をすべきだとしています。
さらに、乗り換えについては、JRの会社間の縦割りに起因する課題であり、高速鉄道ネットワークの整備が続く中で、こうしたJRの会社間の縦割りに起因する各種の課題解消に向け、国交省が積極的な取組を講じるべきだとも指摘しています。
北陸新幹線の敦賀以西をめぐっては、新たに連立に加わった日本維新の会が、2016年からは条件が変わったとして、小浜ルートも含む新たな8ルート案を示し、与党の整備委員会で改めて検討する事が決まっています。
自主研究会では、今回取りまとめた中間報告を与党PTに提出するかどうかは、決まっていません。