熊本県で労使の溝が埋まらず審議が長引いていた最低賃金について、審議会では9月4日に答申額が決定した。時給は1034円、初の1000円台だ。
国の目安64円を上回る82円アップ
現在の熊本県の最低賃金は時給952円。国の審議会は、熊本県の引き上げ額の目安を64円としていて、初の1000円台となるかが注目されていた。

これまでの専門部会では、労働者側は物価の調査などに基づき178円、使用者側は中小企業の支払い能力などを考慮し、39円の引き上げを提案。歩みよりを見せながらも、結審には至っていなかった。

9月4日に開かれた専門部会。「審議は尽くされた」として、学識経験者などから選ばれる公益代表委員が82円アップの『時給1034円』を提示。

非公開で行われた審議会の採決では使用者側の3人が退席。残った11人中9人の賛成多数で答申額が決定し、倉田賀世会長が時給1034円とするよう熊本労働局長に答申した。答申通り決まれば熊本県内で初の1000円台となる。
中原アナウンサーが『最賃』を解説
--最低賃金の答申額が県内で初めて1000円を超えました。

中原アナウンサー:
国が示した引き上げ額の目安、64円よりも高くなりました。理由としては消費者物価指数の上昇率が全国平均を上回ったことや、エンゲル係数が年々上昇していて家計における食費の割合が増えていることなどが挙げられている。

一方で、委員をつとめる中小企業からは「これほどの急激な上昇は耐えられない企業が出てくるのでは」と、悲痛な声も聞かれた。

--答申が行われ今後はどのような流れになるか

中原アナウンサー:15日間の異議申し立て期間があるので、9月19日までに申し立てがなければ正式決定となる。

最低賃金の改定される日を『発効日』という。通常は毎年10月1日から適用されるが、都道府県によって異なる。今回は先月の大雨の影響があるとして、先送りとなり、『来年1月1日付』で発効されることで一致した。
(テレビ熊本)