北海道羅臼町で発生した土砂崩れは、そのことを如実に示しています。
2024年10月15日、北海道羅臼町で大規模な土砂崩れが発生しました。唯一の幹線道路である北海道道87号知床公園羅臼線が約2.3キロメートルにわたって寸断され、104世帯、265人が一時孤立する深刻な事態となりました。
この土砂災害の原因として、道路沿いの山腹に設置された簡易水道施設の破損による漏水が、地盤の緩みを引き起こした可能性があると町は発表しています。
水道施設の老朽化が地盤にまで影響を及ぼし、結果として大規模な災害を誘発するケースは、極めて重大な警鐘といえるでしょう。八潮市では下水道の破損が道路陥没事故を引き起こしましたが、下水道だけではなかったのです。
では、なぜ漏水が土砂災害を引き起こすのでしょうか。まず、地下を流れる水が斜面内部に浸透し、その水分量が増えることで地盤が緩み、崩壊が発生するケースがあります。
次に、斜面にたまった水が水圧を高め、土や岩の結合力を弱めることで、斜面全体が滑り落ちるといった事例も知られています。また、大量の水が新たな通り道をつくり、地盤内の隙間を広げることで斜面崩壊に至るケースもあります。
人口減による料金収入の減少も
こうしたことは羅臼町だけでなく全国の山間部や斜面地域でも同様のリスクが潜んでいると言えます。