一連の記録的大雨で、熊本県内のブドウの生産量トップを誇る宇城市で、収穫間近だったブドウが被害を受けた
ブドウ約4600房が浸水し廃棄へ
宇城市豊野町で代々、ブドウの生産をしている備後範光さんの果樹園では、1メートルを越える高さに実ったブドウが、水に漬かってしまいた。近くを流れる浜戸川が越水したことが原因とみられ、その数、約4600房。

備後果樹園の備後範光さんは「全体が水没して、泥水を被った状態。ショック。1年間の努力が水の泡」と肩を落とす。

備後さんは「袋を開けてみたら、泥がついていた。(売り物としては)もうだめ。全部、廃棄するしかない」と話す。

注文が増えるお盆の時期に合わせて収穫する予定だったものも多く、受けていた予約も断ったそう。来週には全て廃棄することにしている。
ブドウは浸水被害 梨も出荷できず
また、備後さんは梨も作っているが、異常な暑さなどのために、2025年は出来が良くないため、ほとんどが出荷できないかもしれない状況だ。いまは浸水を免れたブドウの出荷作業を進めているが、影響は計り知れない。

一連の大雨による農業被害額は熊本県全体でこれまでに61億円余り、宇城市では約13億7000万円に上っていて、今後も増える見込み。熊本が誇る農業を次の世代につなげるため、一日も早い支援が求められる。
(テレビ熊本)