1月6日、島根・鳥取で起きた地震。広島でも突然の揺れに一時騒然となった。県内に大きな被害はなかったが、「備えが不十分だった」と焦りを感じた人もいるだろう。
「普段」できないことは「まさか」のときにできないとも言われる。阪神淡路大震災から31年を迎える今、“普段の備え”を見つめ直す。

「怖かった」地震後の防災意識に変化

2026年1月6日、島根県東部を震源とする地震が発生し、島根県と鳥取県で最大震度5強を観測した。広島県内でも最大震度4を観測。日常の中で突然起きる地震の怖さを改めて実感した。
“まさか”に備え、非常持ち出し袋などの準備はできているのか。広島の街で話を聞いた。

JR広島駅周辺でインタビューに答える人々
JR広島駅周辺でインタビューに答える人々
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60代の女性は「揺れていると思ってテレビをつけたら地震速報が出ていて。結構長く揺れている感じがして怖かった」と島根・鳥取地震を振り返る。
「2リットルの水を箱買いしたり、乾パンは用意しているけど、それ以外は特にしていない。大きな地震が来たらやろうかなと思っていた」と話し、「今回で準備しておかなければと感じた」と意識の変化を口にした。

一方、東京から観光で訪れた70代の夫婦は、水や着替えなどを日頃からまとめているという。東日本大震災を経験し、「3.11で怖い思いをしたので防災意識は高くなった」と語る。

「備えなくては」と思いながらも行動に移せていないという40代の女性は、「とりあえず防災グッズの売り場に行って、何が必要なのか考えたい」と話す。後回しにしてきたことが、今回の揺れで動き始めた。

伸びる需要「簡易トイレも3日分」

地震のあと、防災グッズへの関心は一気に高まる。広島市西区のホームセンター「カインズ広島LECT店」では、LEDランタンやガラス飛散防止テープ、ガスボンベなどが特設コーナーに並んだ。

店内で目立っていたのが、防災バッグ。
赤いリュック型のバッグには、紙皿やコップ、カトラリーなど簡単に使える食器類に加え、数日間をしのぐための最低限の生活用品がひとまとめに入っている。自分で一つずつ選ぶのが難しい人に向けた“入り口”の備えだ。売り場担当者は、「まずはこれがあれば安心。地震のあとには家具の転倒防止ポールや、非常用の簡易トイレを探しに来る人も多い」と話す。

簡易トイレは大人2人の約3日分に相当する“30回分”がよく売れ、「3日分を意識することが大切」と強調する。「災害が起きたタイミングだけでなく、在庫は平時からしっかり用意しています」と、日頃の備えを呼びかけた。

南海トラフ巨大地震の被害想定は?

広島県は12月、南海トラフ巨大地震が起きた場合の被害想定を12年ぶりに見直した。
県内沿岸では最大震度6強、津波の高さは1.8メートル、全壊する建物は最大約9万棟、死者は最大約1万4000人と推計。今回の想定では、新たに「災害関連死」も盛り込まれ、最大約3700人に上る試算が示された。県は、防災への取り組みや一人ひとりの意識次第で被害を抑えられる余地はあるとしている。

では、具体的に何を備えておけばよいのか。
気象庁は日頃からの備えとして次のポイントを挙げている。

【地震への備え 再確認】
▶︎避難場所・避難経路の確認
▶︎家族との連絡手段の確認
▶︎家具の固定
▶︎非常食の準備 など

【特別な備え】
▶︎すぐに逃げられる態勢の維持
▶︎非常持ち出し品(現金/マイナンバーカード/身分証明書)の常時携帯 など
(出典:気象庁)

防災グッズを新たに買いそろえることだけが備えではない。逃げ道をふさがない家具の配置や連絡方法の共有など、今日からできることも多い。物が落ちたり倒れたりしない「安全スペース」を確保することも大切だ。

間もなく、阪神淡路大震災から31年。この機会に今一度、確認してみてはどうだろう。
“いつか”ではなく“今”できる備えが、次の揺れから命を守る。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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