電車に乗ると気になるのが「リュック」。他人のリュックがふとした瞬間に触れると、モヤっとしてしまうことがある。

自分がそんな気分にさせるのは避けたいが、どうすれば周りに配慮できるのか。鉄道のマナー問題を社会学の視点で研究する、日本女子大学人間社会学部の教授・田中大介さんに聞いた。

電車のリュックで“モヤる”理由

そもそも、電車でのリュックでモヤッとすることがあるのはなぜだろう。田中さんは「電車ならではの距離感が関係してきます」と話す。

人間には「パーソナルスペース」といって、他人が入ると不快に感じる距離感がある。相手との関係性によって変わるが、親しくても「45cm程度」(大人の肩幅くらい)は取りたいそうだ。

電車は距離感が近いので、パーソナルスペースが侵害されやすい(画像はイメージ)
電車は距離感が近いので、パーソナルスペースが侵害されやすい(画像はイメージ)
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しかし、電車は不特定多数の人が乗り降りするので、45cmよりも近い距離に入られる。その際にリュックが触れやすいので「不愉快なイメージ」が定着しているという。

気づかないうちに当たっていることも(画像はイメージ)
気づかないうちに当たっていることも(画像はイメージ)

「他人のリュックを押し付けられた、ひもが当たった。または逆に、当ててしまった経験はないでしょうか。自分が想定しているよりも距離感が縮まりやすいんです」

心当たりがある人もいるのではないだろうか。ただ、リュックによるトラブルのほとんどは、小さな配慮で避けられるそうだ。

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