血糖値の変動を可視化できる「持続血糖測定器(CGM)」が普及し始めている。腕に小型センサーを取り付けるだけでスマホで数値を確認できる手軽さから、健康管理やダイエット目的で使う人が増えている。

しかし、綾部市立病院の糖尿病専門医である大坂貴史さんは、安易な使用にはリスクがあると注意を促す。中には「完全におもちゃ」と断じるものも…。適切に活用するには、正しい知識と医療者との連携が前提になるという。

スマホで血糖値をモニタリング

糖尿病の治療で血糖値を管理するために使用する持続血糖測定器(CGM)。仕組みとしては、細い針で皮下に差し込んだ細いフィラメントを通して、センサーが間質液(細胞周囲の液体)のブドウ糖を測定。その数値をリアルタイムでスマホのアプリに表示するというもの。

センサーとスマホで血糖値をモニタリングするCGM(イメージ)
センサーとスマホで血糖値をモニタリングするCGM(イメージ)
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誰でも購入でき、血液を採取する必要もなく、自分の血糖値をモニタリングできる面白さも手伝って、糖尿病患者でない人たちの間での使用が今、広がっている。

実際に使ってみた特集班スタッフは、「食後に血糖値が上がったり、運動をすると血糖値が下がったりする様子が視覚的にわかるので、食事と運動を意識して生活するようになった」と話す。

一方で、ご飯や麺などを食べると血糖値がぐんぐん上がるので、糖質を取るのが少し怖くなってしまったという。