まずすべきは、自分の安全を確保したうえで、近くの人々に事故を知らせること。「118番(海上保安庁)、119番(消防)、110番(警察)のいずれかに連絡をしましょう」と遠山さん。

つながったら「いつ・どこで・何があったか」を落ち着いて伝えよう。海で「監視員(ライフセーバー)」が近くにいる場合は、大きな声で呼びかけてほしいそうだ。

救助まで“命をつなぐ”海や川での「泳ぎ方・浮き方」はこちらの記事へ

流された人に投げてほしいもの

それと併せてできるなら、流された人に声をかけて落ち着かせ「上がれるところ、つかまれるところ」に誘導しつつ、次のような“浮力があるもの”を投げてほしいという。

・クーラーボックス
・救命浮環(きゅうめいふかん)や浮き具となるもの
・大きめの発泡スチロール
・つかまることができる木材
・中身を抜いていないランドセル
・釣り竿(岸に近い場合につかませる)

スローロープを実演する、日本水難救済会の遠山さん(左)(特集班撮影)
スローロープを実演する、日本水難救済会の遠山さん(左)(特集班撮影)

「すべての現場にこうしたものがあるわけではありません。また、いずれも遠くまで投げることは困難です。最近は『スローロープ』と呼ばれるレスキュー用のロープセットが販売されているので、親子で海や川に行く際には、備えておくと良いでしょう」

呼吸を確保し、体温の低下を防ぐ姿勢

重要なのは、溺れた人がいてもむやみに飛び込まないこと。「一般の方がライフジャケットを着用せずに救助を試みるのは、二次災害の恐れが高く極めて危険です」と遠山さん。

そして、自分が海や川で流された場合の備えも覚えておきたい。