利用者も増えているレンタル用モバイルバッテリーが返却されず、フリマサイトで転売されるトラブルが起きている。
弁護士は、窃盗罪や横領罪などの刑事罰が科される可能性を指摘している。
レンタル用モバイルバッテリーが返却されずフリマサイトに多数出品
コンビニエンスストアや駅など有料で貸し出されているモバイルバッテリー。

お出かけの際の緊急時にも役立ち、別の店舗での返却もできる利便性から、利用している人も最近増えているという。
50代(東京・お台場にて):
きょう関西から来てるんですけど、旅に来たときとかに急に充電欲しいとかに使いますね。
このレンタル用モバイルバッテリーをめぐり、今あるトラブルが起きていることがわかった。

レンタルモバイルバッテリーが返却されず、フリマサイトで転売されていた。
実際に複数のフリマサイトをチェックしてみると、かなりの数のモバイルバッテリーが出品されていた。
そして、そのほとんどが売り切れていた。

「イット!」が調べてみたところ、複数のフリマサイトでレンタル用のモバイルバッテリーの販売を確認できた。
転売されていたのは、1個で500円程度、3個セットで1250円前後の金額だった。
全国に展開する「チャージスポット」のレンタル料金は、30分未満165円。
しかし、フリマサイトに出品されているこれらのレンタルバッテリーの多くは、借りたまま返さない、いわば「借りパク」をしたうえで転売されている可能性があるという。
運営会社INFORICH・橋本祐樹取締役:
だいたいレンタルしていただく方も、0.5%ぐらい返ってこないぐらいの数字感ですね。

ーー返却しなかった場合、ユーザーにはどういったペナルティーが課せられるんですか?
運営会社INFORICH・橋本祐樹取締役:
現時点ではですね、利用料金と違約金というのをあわせて税込み4080円お支払いいただいております。
違約金が発生するのは、レンタル開始から5日後。
ただ、違約金を払ったとしても、モバイルバッテリーを買い取ったことにはならないと、利用規約に書かれているという。

さらにフリマサイトを調べると、人気アイドルとコラボしたバッテリーは、なんと6000円で売れていた。
人気アイドルグループとコラボしたレンタル用のモバイルバッテリー、こうした“コラボバッテリー”は3000本ほどしか展開されていないレア商品のため、高額転売されているとみられる。
チャージスポットによると、転売で売られているモバイルバッテリーには、リスクがあるという。

運営会社INFORICH・橋本祐樹取締役:
リチウムイオンの特性上、やはり経年劣化はございますので、経年劣化にあわせて、あとは、すごく暑いところに置きっぱなしにされる等々、安全に管理できないリスクというのは、相当程度存在するのかなと思っております。
弁護士によると、レンタルバッテリーの転売には、刑事罰が課される可能性があるという。

橋本綜合法律事務所・溝上宏司弁護士:
転売を目的としていたのであれば、窃盗罪が成立するということになると思いますし、あとになって転売を思い立ったのであったとしても、横領罪が成立するということになる可能性は非常に高いと。
取材に対し、メルカリは、今回の転売が規約に抵触するとの確認が取れたとしたうえで、禁止出品物として商品削除などの対応を実施しているという。LINEヤフーは、法律やガイドラインに違反するものについては削除の対応を行うとしている。
(「イット!」8月22日放送より)