身に串を刺すのは、皮が膨らまずに、きれいに仕上げるため。焼き上げること約10分、両面に焼き色がついたら出来上がり。二品目は、素材の味をシンプルに楽しめる、はなだいの塩焼き。

最後はあじ。皮を残し、身の繊維に沿って切るのが美味しく作るポイント。長ねぎとえのきを用意する。

飯田さんが取り出した自家製の合わせ味噌は、北海道みそ(白)、信州みそ(赤・白)に砂糖、酢、みりん、かつお出汁、おろし柚子を入れて20分ほど煮詰めたもの。

これをあじと長ねぎ、えのきと混ぜ合わせていく。

家ではフライパンを使ってできるとのこと。長ねぎとえのきを半分下に敷いて焼くと、あじの皮がくっつかない。

こうして出来上がった三品目は、あじのねぎ味噌焼き。普段はいわしを使うが、今回はあじで作ってもらった。

植野さんは三品とも日本酒を味わいながら堪能した。

地魚料理の店も併設する釣り船店「池田丸」

相模湾に面した鎌倉市腰越地区。港では、名物のしらすをはじめ、あじやいわしが水揚げされ、わかめの養殖も行われている。

そこで、植野さんが訪ねたのは腰越駅から徒歩2分、腰越漁港の目の前にある、釣り船の店「池田丸」。

代表をつとめる池田威知朗さんは、生まれも育ちも腰越という生粋の漁師だ。3隻の船で漁業と釣り船業を営み、多くの釣り人が訪れる。

そして、相模湾の新鮮な魚の美味しさを味わってほしいと、25年前から地魚料理の店も。2年前からは腰越漁協の組合長を務めるなど鎌倉湘南エリアの発展に尽力するベテラン漁師だ。