「スーパーボランティア」として知られる尾畠春夫さん。8月、尾畠さんのことが大好きだという広島の少女が大分を訪れた。彼女が大分を訪れた目的は、尾畠さんを元気づけるサプライズのため。5年前の西日本豪雨から続く2人の交流を取材した。
尾畠さんと侑奈さん 約1年ぶりの再会
8月25日。大分県のJR杵築駅に「スーパーボランティア」として知られる尾畠春夫さんの姿が。
尾畠さんに駆け寄り抱き着いた女の子。広島県呉市の小学生6年生・谷侑奈さん。尾畠さんも「あ~、良かった元気で」と侑奈さんを抱きしめた。
侑奈さんは今回、母親と一緒に大分を訪れ約1年ぶりに尾畠さんと再会した。
この記事の画像(9枚)交流のきっかけは5年前の西日本豪雨
2人の出会いは5年前。2018年の西日本豪雨で自宅が全壊した侑奈さんは当時、失意の中に。ちょうどそのころ、山口県で行方不明の男の子を救助して脚光を浴びていた尾畠さんが災害ボランティアとして呉市にやってきたのだ。
小学校の校庭で車中泊していた尾畠さんと出会い、侑奈さんは励まされ立ち直ることができたという。
侑奈さんの気がかりは尾畠さんの体調
2018年の出会い以来、続いているという2人の交流。
しかし、侑奈さんには気がかりなことがありました。
「いつも元気でパワーがある人なので、ちょっと心配になりました」と話す侑奈さんの気がかりは尾畠さんの体調…。
実は尾畠さん、ことし春に胃がんの手術を受けていた。早期のがんだったため、内視鏡で取り除くことができ今のところ経過は良好。ただ、この夏には目の手術も受けていて、侑奈さんはこうした状況を心配していた。
尾畠さんに元気を!感謝のサプライズ
尾畠さんに元気になってもらいたいと、侑奈さんはあるサプライズを用意していた。
一緒に大分県内を観光中、「尾畠さんに見せたいものがある」と声をかけた侑奈さん。
案内したのはある体育館。
侑奈さんのサプライズ。それは5歳から習っているクラシック・バレエを披露することだった。侑奈さんは尾畠さんのために、精いっぱい踊った。
「尾畠さんみたいに…」感謝の手紙も
バレエを披露した後には、侑奈さんから尾畠さんへの手紙が。
「私はいつも尾畠さんの言葉にパワーをもらっています。小さいときから優しく…」と手紙を読む侑奈さんは、涙で声をつまらせ手紙を読むことができなくなってしまい…
続きは尾畠さんが代読。「小さいときから優しくしてくれて本当にありがとう。私は尾畠さんみたいな人に、みんなを元気にいっぱいにできるようになりたいです」
「これはおいちゃんの宝やな」と喜ぶ尾畠さんも侑奈さんにメッセージを送ります。
「すばらしい踊りを見せてくれて、本当に本当に本当にありがとうございました。これからも体に気をつけて勉強と踊りを続けてね」(尾畠さんからのメッセージ)
「すごいうれしいです。宝物です」と喜ぶ侑奈さん。
落ち込んでいる人に元気を与えたい。そんな尾畠さんの気持ちは被災地の少女にしっかりと受け継がれている。
(テレビ大分)