持ち込んだ魚でも調理してくれる「漁や」

お腹を満たした植野さんは、買った地魚を持って、ある店へ。

腰越駅から車で17分、藤沢市の辻堂駅の近くにある魚料理の店「漁や」だ。

1990年に開店、相模湾の地魚が豊富に揃い、地元の魚好きがこぞって通う人気店で、常時60種類もの多彩な魚料理を提供。魚を楽しむための日本酒・焼酎も30銘柄以上取りそろえている。

厨房で腕を振るうのが、小学4年生の時から包丁を握って魚を捌いていたという生粋の料理人、飯田雄司さん。

釣った魚を持ち込んで、美味しく調理もしてくれるため、釣り人も多く訪れる店だという。

魚好きが高じて、飲食業の道に進んだ飯田さんは、海鮮料理店の店長を10年ほど勤めた後に独立、「漁や」をオープンした。

毎朝、長年付き合いのある地元の鮮魚店で魚を買い付け、日々変わる仕入れに応じて、メニューも毎日作り直している。

異なる調理法で味わう絶品料理

植野さんがお店に持ち込んだ相模湾の地魚は、あじ、はなだい、おにかさごの3種類。どんな料理に仕上がるのか?

「漁や」では、前日までに予約すれば、持ち込んだ魚をその日に調理してもらえる。値段は、刺身、塩焼きなど、1品1人前400円前後だという。

まずはおにかさごから。鱗を引いて三枚に卸し、刺身にする半身は、旨みのある皮ごと味わえるよう、湯霜造りに。身から皮が剝がれないよう、皮目を下にして切るのがポイントとのこと。

唐揚げにする半身は、切り分けて塩こしょうを振り、片栗粉をまぶしたら、下準備OK。一品目のおにかさごの刺身と唐揚げが完成。目にも鮮やかな一皿だ。

続いては、くせがなく上品な味わいで、様々な料理に使えるはなだい。下ごしらえを済ませて串を打ったら、ヒレの部分に塩をしっかりとすり込む。このひと手間が、ヒレの焦げ付きを防ぐ秘訣だという。