70年前は先進的だった

毛利社長は「弊社は創業から70年ですが、創業時、消火栓の近くにポールを立てて、税金で賄うのではなく民間で広告を入れて行うことは、とても先進的だったと思います」と語る。

広告の主な使われ方は、「ここから先20メートル」といった店舗などへの案内表示で使われたり、病院等の電話番号が掲載されたりしている。長いものだと50年近く、広告を掲載している企業・施設もあるそうだ。

消火栓標識を設置する様子(画像提供:消火栓標識株式会社)
消火栓標識を設置する様子(画像提供:消火栓標識株式会社)

昔は多くの人がこうした広告から情報を得ていたが、昨今スマホなどから得られる情報が増え、街中には消火栓標識以外の看板も圧倒的に増えた。

「地元に根ざした企業や施設だけではなく、実はロゴだけでわかるようなコーヒーチェーン店も都内の主要駅で広告を出したりしています。さりげなくロゴ等を出すことで『ここに店がある』などということを上手に印象に残せるのです」

「モンテディオ山形」の事例(画像提供:消火栓標識株式会社)
「モンテディオ山形」の事例(画像提供:消火栓標識株式会社)

さらにいま、「地域密着型」の企業と連携するといった、新しいカタチの使われ方を展開している。一つの事例として、プロサッカーチーム「東京ヴェルディ」や「モンテディオ山形」などがオフィシャルパートナーとなり、チームのロゴとパートナーを組む地元企業のロゴ等を入れて広告を作る、といった取り組みもしている。

早ければ1カ月くらいで掲載

ちなみに、標識にぶら下がる長方形の広告は、フレームを除いて縦36センチ×横76センチ。近くで見ると意外と大きく、それらはアルミ板に自社で印刷している。両面印刷で、1時間ほどでできあがる。