次の首相は誰になるのか。
各党が激しい駆け引きを行う一日となりました。
自民・公明の連立解消により政権交代も現実味を帯びる中、次の首相候補に浮上した国民民主党の玉木代表。
14日午前10時半過ぎ、立憲や維新との幹事長会談を前に会見を開きました。
国民民主党・玉木雄一郎代表:
(Q.首相になった時の夢や理想は?)短期的には物価高騰対策をしっかりやりたい。もう1回、日本が希望のある国にしたいなと思います。具体的に政治を動かさなければいけない局面になってきていると思いますので、各党との協議に臨み、政策本位で物事を判断していきたい。基本政策の一致が仮に政権をともにすることであれば不可欠。一致させておかないと政権もガタガタします。特に安全保障に関しては、寸分の揺らぎも許されない。
立憲の安住幹事長はFNNの単独インタビューに応じ、野党統一候補の擁立に向け、粘り強く交渉を続ける姿勢を強調しました。
立憲民主党・安住淳幹事長:
私たちの党と国民民主党の違いなんていうのはそう大きいものではないですよ、歴史的に見たって。やっぱり大きな固まりで首相指名に本当に臨む気があるんだったら、寛容さは必要だと思います。私は参政党から共産党まで、野党にいる人たちみんなに「よろしくお願いします」と言える姿勢にならないと、本当の意味で本気になっていないんじゃないかなと思う。
一方の自民党側。
14日朝、閣議の後に行われた会見で、村上総務相が公明党の連立離脱に苦言を呈しました。
村上誠一郎総務相:
一番友党であった公明党が離脱したってことは、やはり自民党にとって非常に大きい打撃ですし、また今後の選挙協力においても非常に大きい課題が残ると思う。
さらに、高市執行部の対応については「最初に公明党に挨拶に行くところ、玉木さんに会ったり、お金の問題のあった方を(要職に)採用するということは(公明党にとって)平手打ちにあたるんじゃないか。他党に対しても慎重な対応をすべきだったんじゃないか。覆水盆に返らずですけどね」と述べました。
公明党から唯一、入閣している中野洋昌国交相は会見で「連立のあり方については、党内でも様々議論があり、色々な意見があった。しかし、政治とカネの問題について一歩も引くべきではないというのは一致した意見。斉藤代表の出された結論をしっかり受け止めて、公明党としてしっかり団結をして進んでいく」と述べました。
また、公明の西田幹事長は会見を開き、首相指名選挙で予想される決選投票への対応について「あらゆる可能性がある。しっかり考えたい」と述べ、野党との連携の可能性に含みを残しました。
午後になると、各党の動きは一気に活発化。
自民と国民民主による幹事長会談が開かれました。
自民の鈴木幹事長は会談後に取材に応じ、「政治の安定のため、新たな枠組みに協力してもらいたい」と呼びかけたことを明らかにしました。
自民党・鈴木俊一幹事長:
国民民主党と私ども自由民主党は憲法の問題、エネルギーの問題など重要な基本政策において一致をしている政党、これが国民民主党でありますので、首班指名に協力していただきたいというのが我々の思いです。
その上で、高市首相の誕生に向けて協力を求めたことを明らかにしました。
一方、国民民主の榛葉幹事長は「政治とカネがこうなって、自公さえ信頼関係が崩れたんだから、一足飛びで他の野党と連立ってそう簡単じゃないし現実的じゃない。玉木代表も『今は連立は考えていない』『政策実現だ』と、全くその通りです」と述べ、さらに「信頼取り戻す方法はただ一点。政策の実現です。数合わせでも誰かをやっつける、もしくはポストを取りにいく政治じゃなくて、私たちはこの選挙で約束をした103万円の壁の178万を目指した引き上げ、そしてガソリン税の暫定税率+軽油の暫定税率。国民に寄り添った政策を年内、新政権がやりきるかどうか、それをまず見極めたい」と語りました。
自民党の鈴木幹事長から、高市総裁と玉木代表との党首会談を求められたことも明らかにしました。
首相指名選挙を前に各党の綱引きが激しさを増す中、午後3時、自民党の全ての国会議員が出席する「両院議員懇談会」が始まりました。
自民党・高市早苗総裁:
皆さま本当にご多用の中ありがとうございます。
公明党の連立離脱により、初の“女性首相”に暗雲が漂っている高市総裁。
会合は冒頭の挨拶のみ撮影が許され、その後は報道陣をシャットアウトして行われました。
会合では、公明党との連立が解消に至った経緯について高市総裁が説明しているものとみられますが、自公連立の崩壊により、次の衆院議員選挙で数十人が落選するとの見方があり、大荒れが予想されています。
高市総裁は、自民党内からの反発を抑えることができるのか。
会合の行方が注目されます。