5年に一度の「国勢調査」。私たちの暮らしを支える重要な統計でありながら、便乗詐欺も発生している。期限を過ぎてしまったら?詐欺にあわないためには?気を付けるべきポイントをまとめた。
国政調査は最も重要な統計調査
そもそも国勢調査とは何か。「5年に1度の最も重要な統計調査」とされている。選挙や地方交付税など法令に関するもの、子育て支援や防災計画のような行政上の施策など、私たちの生活に深く関わることに活用されるため「最も重要な統計調査」というわけだ。

調査の対象は、日本に住む全ての人。外国人の方も含まれる。答える内容は名前や就業状態など世帯員に関すること、そして、住居の種類など世帯そのものに関することだ。

回答方法は2種類あるが、オススメはインターネットだ。配られた書類の中に記載されたQRコードを読み取るか、ログインID・アクセスキーを入力。24時間いつでも、4~5分で簡単に回答することができる。

わたしたちの生活をより良くしていくための基礎となる「国勢調査」だが、これに便乗した悪質な詐欺には注意が必要だ。
インターネット活用も不審なメールに注意
国勢調査の広報を担当する福島県統計課。手軽に回答できることからインターネットの活用を呼びかけている。福島県統計課の橋本達弥課長は「福島県は10月1日現在で23.5%という回答率」と話す。

国もインターネットによる回答率50%を目標にする、今回の国勢調査。しかし、これに便乗しているのが、国勢調査員と名乗る人物からの不審なメールだ。県統計課の橋本課長は「メールの文面がとても国勢調査にご協力をお願いしたいということで、もっともらしいないようにはなってるんですけども」と話す。
タイトルには【重要】と書かれていて、対応しないと督促や罰金が課されるなどと不安感をあおる内容。これまでに県にも10数件の報告があがっているという。

「回答をする偽のサイトに誘導するような内容になってまして、そこでおそらく個人情報を盗み取るというかそういうような内容になっているようです」と県統計課の橋本課長は注意を促す。
国政調査員のなりすましも
また、県内では9月、福島市で国勢調査員を名乗る2人の男が、高齢の女性が住む家を訪れ、記入済みの調査票を持ち去る事案が発生した。
本当に調査員かどうかを見抜くポイントは持ち物。顔写真つきの国勢調査員証を身に着け、専用の青いバッグを持っている。また、国勢調査は原則手渡し。回答をメールで呼びかけることはなく、もちろん金銭の要求はない。

福島県統計課の橋本課長は「国勢調査員、調査員証というものを持っておりますので、そういったものを確認しながら間違いなく国勢調査だっていうのを確認していただいて」と見分けるポイントを話す。
福島県は被害防止のための動画も作成。手口を紹介し注意を呼びかけている。
回答期限を過ぎたら?
もし回答期限を過ぎてしまったらどうしたら良いのか?
福島県統計課の橋本課長によると、“万が一回答がなかった”場合、「10月下旬まで調査員が順次家を訪問して回答を呼び掛けます」とのこと。

統計法という法律では、国勢調査の提出は義務とされていて、拒否したり虚偽の回答をしたら50万円以下の罰金が課される可能性がある。

「国勢調査の開始から105年の歴史のなかでこの罰則が適用されたことはない」とのことだが、10月8日までにしっかり回答しよう。
(福島テレビ)