商業施設やビルなどで、赤いランプが印象的な“四角い箱”を見たことがあるだろうか。名前を「屋内消火栓」といい、実は私たちが使って問題ないものだという。
「火災時、一般の方でも消火活動できるように設計したものです。それが知られておらず、景観の一部になっているところがあります」
東京消防庁の担当者がこう話すように「消防関係者が使う」と思っていた人もいるはず。
消火器での鎮火が難しいと感じたら「屋内消火栓に切り替えてほしい」とするが、どう使えばいいのか。扱いを間違うと水が出なくなることもあるというので、注意点を教えてもらった。
種類は4つ
屋内消火栓は共用廊下やエレベーターホールなど目立つ場所に設置されていることが多い。種類は4つで「2人以上で使うもの」と「1人で使えるもの」に分かれるそうだ。

【2人以上で使うもの】
・1号消火栓
【1人で使えるもの】
・易操作性(いそうさせい)1号消火栓
・2号消火栓
・広範囲型2号消火栓
見分け方のポイントはホース
ホースの長さや放水量に違いはあるが「初期消火を目的とした設備」であることは共通しているので、難しく考える必要はない。

機材が収納されている「消火栓箱」に、ホースが折り畳まれた状態でしまってあるなら「2人以上で使うもの」。ホースが円を描くように、巻いた状態でしまってあるなら「1人で使える」と覚えておけばよいそうだ。
「私個人の業務経験上での感覚となりますが、最近では『易操作性1号消火栓』が多く設置されている印象を受けます」