夏は家族で旅行やレジャーに出かけたくなる。その時に気を付けたいのが熱中症だ。

誰かが体調を崩すと心配で、楽しむどころではなくなるはず。そうならないための備えや、発症が疑われた場合の対処法を、日本救急医学会の評議員で医師の三宅康史さんに教えてもらった。

対策は前日の体調管理からスタート

最初に知っておきたいのは、屋外で熱中症が起こりやすい環境。以下の2つが挙げられる。

・晴れた昼間など、日差しや地面からの照り返しが強い環境=体温の上昇を防ぐために汗をかくので、体の水分が奪われやすい

・雨の翌日など、湿度と気温が高い環境=かいた汗が蒸発しにくく、体温調節が難しい

旅行やレジャーでは無理をしがち(画像はイメージ)
旅行やレジャーでは無理をしがち(画像はイメージ)
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加えて、旅行やレジャーでは「睡眠不足が起きる」「スケジュールが過密になる」ケースが多いともいう。熱中症になる危険性が高い環境で無理をしてしまうので、熱中症リスクが高まるそうだ。

「睡眠不足になると体温調節の機能がうまく働かなくなり、体に熱がこもりやすくなります。スケジュールは過密であるほど短時間の休憩すら削りがちに。気づくと、水分を摂っていなかったということも考えられます」

前日には体調を整えておこう(画像はイメージ)
前日には体調を整えておこう(画像はイメージ)

外出先での熱中症はどうすれば防げるのか。まずできるのは「出かける前日に無理をしない」だ。睡眠時間を削らないように荷造りは早めに済ませ、夜更かしはせず、早めに寝よう。

スケジュールは頭では分かっていても、過密になってしまう人は多いのだとか。そこで「家族で最も幼い子供にとって、負担でない、過密でない、計画を立てましょう」と三宅さん。

遊びや観光スポットを楽しむとしても、子供目線で無理がない予定を組むのがポイントだ。

また、出発当日からの過ごし方も大切だ。

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