黄色いじゅうたんのように一面に広がる「ヒマワリ畑」。
外国人観光客が殺到する人気の“映えスポット”が突然消えてしまいました。
千葉・習志野市にある菜園では、地域住民に喜んでもらうため、7月18日から野菜畑の一角に“ひまわり回廊”をつくり無料開放していました。
取材班が現場に訪れると、驚きの光景が広がっていました。
畑の方を見ると、ヒマワリが全て刈り取られている状態で、更地となったヒマワリ畑。
夏の日差しの中で咲き誇っていたヒマワリは1本残らず刈り取られていました。
多くの人が詰めかけた“映えスポット”の面影はどこにもありません。
一体、何があったのでしょうか。
畑に立てられた看板には「7月27日をもちまして終了いたしました」と書かれていました。
まさに見頃を迎える中、菜園を営む農家が自らヒマワリを刈り取り、イベントの中止を発表したのです。
理由は、観光客による迷惑行為でした。
近隣住民は「(騒ぎ声が)すごかった。朝5時半に起きてシャッターを開けると(観光客が)もういる」「(迷惑駐車で)車庫から車が出てこられないことが何度かあった。20分ぐらい立ち往生みたいな…」と話します。
“映えスポット”としてSNSで拡散された“ひまわり回廊”。
すると想定をはるかに超える外国人観光客らが押し寄せてきたといいます。
近隣住民は「今年の方が多かった。2倍ぐらい。農家もびっくりして、まさかこんなことになるとは思わなかった。喜んでみなさんが来てくださり、うれしかったんですけど」と話しました。
“違法駐車”や“私有地への侵入”などで、住民生活には大きな支障が出たといいます。
更地となったヒマワリ畑には、今も中止を知らない観光客が続々と訪れています。
公道からヒマワリのない畑で映えない写真をパチリと撮影する人の姿も。
さらに、ヒマワリ畑を見に来た地元住民は、変わり果てた姿にショックを隠しきれません。
近隣住民からは「あ~ないと思って。(場所を)間違えたと思った。土日は混むから平日と思って。びっくりした、残念。それしかない」「着いたときはヒマワリ全開でばぁ~という状態で出合えると思ったが残念。きょうは見頃だと思ってかなり期待して来たんですけど」「子供と写真撮りたかった。近所でこういうところがあるから子供と来やすい感じで。(中止は)悲しいです」などの声が聞かれました。
SNSでは「すてきな場所がなくなるのは残念です」「一度見てみたかったのに悲しい」などの声が。
中止に追い込まれた夏の風物詩。
“ひまわり回廊”を手掛ける菜園は中止について、「このような終わり方になってしまい、非常に無念です。SNSの力の大きさと、その広がりの早さを読み切れなかった自分の未熟さを痛感しています」とコメントしています。
(※8月1日追記)
イベント中止につきまして、外国人に限らず、日本人も含めた観光客が押し寄せたことが原因との指摘がありましたので「外国人観光客」を一部「観光客」に修正しました。