火災ではやけど、煙の吸い込みで命を落とすこともある。そんな危険から、人々を守る「防火戸」を知っているだろうか。実は、避難方向に迷ったときの“助け”にもなるという。

詳しい役割や作動したらするべき行動を、東京消防庁の担当者に教えてもらった。

避難までの“時間稼ぎ”をする

そもそも、防火戸は「防火扉(ドア)」や「防火シャッター」をまとめた呼称だ。通常の扉やシャッターより、素材や構造で耐火性能などを強化していて、最低でも20分、製品によっては1時間、炎や煙を遮るそう。

作動中の防火扉
作動中の防火扉
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火災が広がることを防ぎつつ、安全な場所に避難するまでの“時間稼ぎ”もするのだ。マンションや商業施設など、人々の出入りが多い場所に設置されていることが多いという。

「なぜ扉とシャッターがあるのかというと、広い通路を扉でふさごうとすると、大きくて重くなるんですね。広い場所は防火シャッターがある。階段の近くなど、狭い場所は防火扉があるとイメージしてもらえればと思います」

作動中の防火シャッター
作動中の防火シャッター

防火扉や防火シャッターは、熱や煙を感知すると自動で作動するものが多い。一般の人が動かすことは少ないが、作動したら知っておいてほしいポイントもあるという。