破れたデニムをきれいに修復するとしてフランスのファッション雑誌で絶賛された女性が新潟市にいる。大きく破れたデニムも継ぎはぎが分からないほどに修復する女性の技術と思いを取材した。
“デニム修復技術”に世界から絶賛の声!
新潟市東区にあるデニムを中心とした服の修復店『Blue Champion』。

細かな色を何重にも使い分けながらデニムを縫っているのが、店主の加藤香苗さんだ。驚くのはその技術力!
パキスタン人のお客が依頼したという炭鉱から掘り起こしたデニム。土の中に埋まっていたためボロボロになってしまっているが、それを見事に履けるように修復した。

他にも激しく破れてしまったデニムのジャケットなども継ぎはぎが分からないほどに修復されている。
この丁寧な作業が評判を呼び、オープンして8カ月ほどで県内・県外だけでなく海外からも予約の依頼が!
フランスのファッション誌には、「もし、世界でデニムの修復をできる人が一人いるとしたら、それは加藤香苗です」と絶賛するほど世界でも話題を呼んでいる。

この日も福岡県からデニムの修復を依頼したお客が訪れていた。
その完成したデニムを見て「良い。とてもきれい。穴が開いていたところが全然分からない」と満足そうな表情を浮かべていた。
“独学”で身につけた技術!糸の色にもこだわり
こうした優れた技術を持つ加藤さんだが、服飾の専門学校には通っていないという。

「最初は見よう見まねで始めた。どんどん自分のやったもの、誰かがやったものを見て、問題点が見えてきて、それを自分で試行錯誤した」
高校卒業後に働いた古着店で修復技術を“独学”で身につけたと話す加藤さん。そのこだわりも細かい。
作業場にはたくさんの糸が用意されているが、中には、いまは売られていない加藤さんがオリジナルで作ったものもあった。

襟と袖が破れてしまったデニムのジャケット。複雑な色が混じったヴィンテージのデニムにとって糸の色選びはまさに命だ。
そして、糸を選んで作業すること約1時間。細長く開いていた穴は見事修復された。

色味以外にも1mm単位で縫う範囲を目視で見極めて修復していく作業は、まさに職人技だ!
さらなる技術向上へ!「他では直せないと言われたものも…」
これまでに数え切れないほどのデニムを修復してきた加藤さん。それでも100%満足のいく修復ができることはないと話す。

「合格ラインはあるが、そこで満足してしまったら、もっとうまくなるのは難しいので。他では、ちょっと直せないと言われたものとかがくるような、最後の砦みたいなお店がいいかなと思っている」
着るのを諦めてしまった特別な一着も加藤さんの手にかかれば、修復できるかもしれない。
(NST新潟総合テレビ)