新年を迎え、天皇陛下は「希望を持って歩んでいくことのできる良い年となることを祈ります」と文書で感想を寄せられました。
戦後80年の節目に慰霊の旅 平和への願い
宮内庁を通じて寄せられた文書の中で、陛下は戦後80年の節目にあたり、各地を訪れた慰霊の旅を通じて「先の大戦を思い起こし、戦中・戦後に人々が耐え忍んだ苦難と、人々のたゆみない努力により築き上げられた今日の我が国の平和の尊さに改めて思いを致すとともに、これまでの歩みを今後とも語り継いでいくことの大切さを心に刻みました」と振り返られました。
その上で「現在も戦争や紛争により、世界各地で多くの人の命が失われていることに深く心が痛みます」「平和な世界を築いていくために、人々が対話を重ねながらお互いの理解に努め、努力していくことの大切さを感じます」と平和への願いを綴られました。
自然災害や物価上昇についても…
また、地震や豪雨、林野火災など相次ぐ自然災害や物価の上昇に触れ、「困難を抱えている人々のことを案じるとともに、そのような人々のため、また社会のために地道に活動に取り組んでいる人も多いことを心強く思っています」「今年も人々がお互いを思いやり、支え合いながら、困難な状況を乗り越えていくことができるよう願っています」と記されました。
その上で「新しい年が、我が国と世界の人々にとって、希望を持って歩んでいくことのできる良い年となることを祈ります」と結ばれました。
両陛下と愛子さまが工芸品を手に歓談される
宮内庁が公開した新年の映像で、両陛下と愛子さまは2026年の干支の「午」にちなんだ各地の伝統工芸品を手に歓談されています。

いずれも以前からお持ちの品で、側近によりますと、陛下は佐賀県の土鈴の「のごみ人形」を鳴らし「良い鈴の音ですね」と話されていたそうです。
皇后さまが手にしているのは鳥取県の「木彫り十二支」で、鼻の周りに丸く色が付けられている様子に目を留め、夏から飼い始めた保護猫の「美海ちゃんみたいですね」と笑顔を見せられました。
愛子さまは和紙でできた富山県の「紙塑人形」を眺め、「鞍も描かれていますね」と述べられていたそうです。
また、上皇ご夫妻と秋篠宮ご一家もそれぞれお住まいで撮影された映像も公開されました。
悠仁さまは成年皇族として初の新年祝賀の儀へ
92歳、91歳を迎えた上皇ご夫妻は日本画家の安田靫彦作「紅白梅に日出」の前で歓談されています。
秋篠宮ご一家は、赤坂御用地内の植物や花を話題にし、特に2025年はかんきつ類が多く実ったたことを振り返られていたそうです。
皇居では1日、両陛下が新年の挨拶を受けられる「新年祝賀の儀」が行われます。
愛子さまはティアラを着用して出席され、2025年に成年式を終えた秋篠宮家の長男・悠仁さまは、初めて成年皇族として参加される予定です。
