2025年春、宮崎市は、スタートアップ支援の拠点『MOC(宮崎オープンシティ推進協議会)』を、「ほこみち」化の進む高千穂通りの「HAROW高千穂通」にオープンする。新年度当初予算案では、MOC関連事業を3700万円から6400万円に増額する予定で、地域の企業や起業家への支援がさらに充実することが期待されている。

「ほこみち」整備が進む高千穂通

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JR宮崎駅から西にのびて、中心市街地とを結んでいる高千穂通り。

歩道でテラス営業などが可能となる国の「ほこみち」制度の導入に向けた整備が進むなど、人が歩き集う場所へと生まれ変わろうとしている。そんな通りに新しい風を吹き込むのが…。

NTT広島ビルの北棟をリノベーションして作られる「HAROW高千穂通」。1階は商業施設に、2階と3階はワンフロアの賃貸オフィスに変わる。

2025年春の開業に向けて現在も工事が進んでいる。1階部分は一面ガラス張りの明るい空間となる。

「MOC」本格始動へ向けて

「HAROW高千穂通」の1階に、この春から拠点を構えるのが、宮崎市と地元企業が連携してつくる宮崎オープンシティ推進協議会・通称「MOC」だ。

2024年4月に設立されたMOCは、主に宮崎のスタートアップ企業や起業家の育成を目的に企業や起業家からの相談の受付などを行っている。

2024年度は、県内の中小企業などが取り組む新規事業の紹介や、農林水産業の新たな価値の創出に向けた意見交換会など、地域の課題解決を目指すイベントの開催にも力を入れた。

宮崎オープンシティ推進協議会 杉田剛さん:
我々としては「社会の実験場」という言い方をしていて、企業や既存企業の新規事業など、初めてやるときは誰でも不安だったりやり方がわからないと思うが、MOCを利用することで次の一歩に進める場所になろうとしている。

MOC始動1年目の2024年度、宮崎市は当初予算でMOC関連事業に3700万円を盛り込んだ。2年目となる2025年度は、その約1.7倍となる6400万円を当初予算案に計上している。新たな拠点の運営のほか、有名起業家による講演会や投資家の誘致、地元企業が抱える課題を学生が議論する交流会などを支援するための増額だ。

宮崎市 清山知憲市長:
高千穂通りを中心としたまちづくりについても、ぜひMOCの皆さんも積極的に関わっていただきたい。街中にイノベーション創出拠点が生まれることで、若い人たち中心に立ち寄りやすく、様々な交流が生まれることを期待していきたい。

現在、宮崎市役所の第二庁舎に事務所を構えるMOCには、1月末時点で約570人が相談に訪れた。中心市街地に拠点を移すことで、さらに交流が増えることが期待される。

宮崎オープンシティ推進協議会の杉田氏は、「年間1万人は行かないまでも、8000人目標に、沢山の方にお越しいただきたいと考えている。MOCが新しい場所になることで、相談しやすい場所になって、女性起業家や学生起業家、シニア起業家など新しいチャレンジができる場所にしていきたい。」と、展望を語った。

(テレビ宮崎)

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