的確で冷静な判断が人命救助につながった。橋から飛び降りようとした男性を、身を乗り出して保護した人たち。川岸に倒れている高齢者を発見、すぐに警察に知らせ命を救った中学生。警察から感謝状が贈られた。
橋の上で自殺ほのめかす男性
橋から飛び降りようとしていた男性と遭遇したのは、佐賀・唐津市呼子町に住む山下光俊さん、康子さん夫婦。
この記事の画像(10枚)山下さん夫婦は2024年10月18日、散歩していたところ高さ20mあまりの橋から身を乗り出そうとしていた40代の男性を発見した。
男性は「警察に電話してほしい。警官を見たら踏ん切りがつく」などと自殺をほのめかしたという。このため、山下さん夫婦はすぐに警察に通報した。
身を乗り出し必死に保護
男性は警官を待っていたのか、その姿が見えた瞬間、男性の足は欄干を越えて飛び降りる寸前だった。
このため、慌てて山下さん夫婦、通りがかった男性、それに警察官が身を乗り出しながら男性の腕や腰をひっぱりあげ保護したという。
男性を保護した山下光俊さんは、「(男性が)涙ぐんで、うるうるなってきていたから、これは危ないなと思って。警官を見たら飛び込むと言っていたんですね。私も身構えてそんなことさせるもんかと思った」と当時の状況を語る。
山下さん夫婦とともに救助にあたったのは、近くに住む増山壽さん、トラックで通りがかった北村謙二さん。
的確で冷静な対応と連携でひとりの命を救った4人に警察から感謝状が贈られた。
「おじいちゃんが倒れていた」
中学生の迅速な対応で高齢者の命が救われた事例もある。
警察から感謝状が贈られたのは、佐賀・鳥栖市に住む中学1年生の佐藤乙姫さん。
佐藤さんは、2024年7月、午前に部活を終えて学校から帰宅する際、川の土手に放置されたキャリーカートを発見。
「何かおかしい」と思った佐藤さんは、土手の下をのぞいてみたところ、高齢者が川岸に倒れていた。このため、道を戻り近くの鳥栖警察署に「助けてください」と駆け込んだという。
知らせを受けた警察官が現場に駆け付け、川岸に倒れていた高齢の男性は無事救助された。男性は骨折の大けがをしていたが、命に別状はなかった。
感謝状をもらった感想をきかれた佐藤乙姫さんは、「当たり前のことをしただけだから、うれしい気持ちもあるけど自分にはもったいない」と謙虚に語っていた。
(サガテレビ)