鹿児島県が整備を予定している新たな総合体育館の設計事業者が、先週末の公開プレゼンテーションを経て正式に決定した。選ばれたのは梓設計・SUEP・東条設計の共同企業体で、桜島の景観と調和する「つり屋根」でメインアリーナとサブアリーナをつなぐ独創的なデザインを提案。2026年4月から本格的な設計作業が始まる見込みだ。

ドルフィンポート跡地に新たなランドマーク

県は鹿児島市のドルフィンポート跡地に新たな総合体育館の整備を計画しており、2025年10月から上限約8億6000万円で設計事業者の公募を進めていた。2月14日には2次審査に進んだ5つの事業者が公開プレゼンテーションを実施し、設計内容や専門家の審査を踏まえて最優秀提案者が選定された。

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選ばれた梓設計・SUEP・東条設計共同企業体の担当者は「一番景観が大事だと考えていて、桜島と調和するおおらかな屋根を造りたい」と設計への思いを語った。この事業者が提案したのは、桜島の景観を生かすためメインアリーナとサブアリーナをつり屋根でつなげる設計案で、審査員からは「鹿児島のシンボル的な建物となることが期待できる」と高く評価された。

街に開かれた広場で新たなコミュニティ空間を創出

特に注目されるのは、2つのアリーナの間を誰でも訪れることができる広場にするという提案だ。設計者は「ふらっと立ち寄った時にいつも何かをやっている、そこに行くと何かワクワクするような体験が待っていて街に開かれた広場を作る。そうするとスポーツに普段興味のない人もここに来てその次は『アリーナ行ってみよう』『トレーニングエリア使ってみよう』と気持ちにさせてくれる」と構想を説明した。

この開放的なアプローチにより、従来の体育館の概念を超え、市民が日常的に親しめるコミュニティ空間の創出を目指している。スポーツに関心のない人々も自然と足を向けられる環境を整えることで、幅広い世代の利用促進が期待される。

​物価高への対応、建設費削減に工夫

物価高が進む中、建設費の抑制も重要な課題となっている。公開プレゼンの場で建設費の削減策を問われた設計者は「フラットなプランで、建物のコンパクト化と軽量化を図ることでコスト縮減をしている。具体的には共用部や階段、廊下を積層型のプランに対して減らすことができた。10%くらいの面積の削減ができた」と具体的な削減方法を示した。

効率的な設計により、機能性を保ちながらも建設費の抑制を図る工夫が随所に盛り込まれている。

塩田知事「スポーツ・コンベンションセンター実現に期待」

決定を受けて夕方取材に応じた塩田知事は「しっかりと技術力、デザイン力等を生かして、基本構想にあるスポーツ・コンベンションセンターの実現に向けて、より良い設計をしてもらえることを期待している」とコメントした。

県は今後、設計業務の内容について協議を行い、2025年度中に契約を結ぶ予定だ。設計作業は2026年4月から2028年7月まで行われることになっており、鹿児島の新たなランドマークとなる総合体育館の実現に向けて着実に歩みを進めている。

桜島の雄大な景観と調和し、市民に愛される開かれた施設として、鹿児島県の新総合体育館がどのような姿で完成するのか、今後の展開に注目が集まっている。

(動画で見る▶鹿児島県新総合体育館 設計事業者が決定 つり屋根で建物つなぐデザイン提案)

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