「『刺身用・生食用』」と表示されているものの中でも『冷凍・解凍』と表示されている魚は、厚労省が推奨する『20℃で24時間以上冷凍』の条件をクリアしているので安全です。冷凍されたカツオの叩きやマグロの刺し身などが該当します」

スーパーで売っている刺身(画像はイメージ)
スーパーで売っている刺身(画像はイメージ)

「養殖」と印字されているものも限りなく安全に近いとのこと。

「養殖魚は冷凍か加熱済みのエサを食べているため、エサ内のアニサキスは死んでいます。そのためエサからアニサキスがうつることがありません。養殖のタイやブリは限りなく安全です」

ただし、サバは養殖でも注意が必要だという。その理由をこう説明する。

「サバの養殖には、『完全養殖』という卵から人が育てる場合と、『畜養』という天然のサバを捕まえてきて太らせる方法があります。後者は海にいた時に食べたエサからサバにアニサキスがうつっている可能性があります。ただ、『養殖サバ』はお値段も高めでプロが買いに行く市場などに行かないと手に入りません。普段スーパーで買い物をしている分には心配しなくても大丈夫です」 

外食は店選びが重要 

スーパーでの見分け方のポイントは分かった。では外食する場合は何に気を付ければいいのだろうか。 

「外食では、信頼できるお店を選ぶようにしてください。刺身や寿司は切って盛り付ければよいだけの料理ではありません。経験を積んだプロは、一尾一尾魚の状態を確認しながらおいしく安全に食べる方法を熟知しています。そのような知識や技術があるお店は限りなく安全な形で提供しています」

それでも怖い場合は、「冷凍魚や養殖魚が多いお店を選ぶ方法も悪くありません」と続ける。

「リーズナブルな傾向がありますし、天候に左右されず安定供給されるため年中食べる事ができます」

「天然魚も楽しんでほしい」

ただ、冷凍魚や養殖魚だけでは楽しみに限りがあるのも事実。さらに魚のおいしさを味わいたい人は、天然魚にも目を向けてほしいと話す。