長濱ねるさんが長崎市内の中学校で特別授業を行った。ねる先生が後輩たちに伝えたかったのは「今いる場所だけが全てじゃない」ということ。授業後の全インタビューと授業内容を大公開!
「長濱ねる先生」サプライズ登場
長崎市立片淵中学校3年生の教室にサプライズで登場したのは、長崎県出身の俳優・長濱ねるさん。ねる先生は27人の生徒を前に少し緊張した表情で、はにかみながら教壇に立った。

長崎県は年度に2回、グローバル人材を育てようと、ゲストを呼び英語の特別授業をしている。その一環で長濱ねるさんが授業を行った。

長濱ねるさん:
初めまして、長濱です。私は長崎に17歳まで住んでいて、欅坂46というアイドルを経て、いま東京で俳優として活動しています。今日は短い時間ですがよろしくお願いします。
初めましてですごい緊張してるんですけど、いつでも質問していただいたりとか、皆さんとコミュニケーション取りながら今日過ごせればいいなと思います。頑張ります!
中学時代「人前に立つのが嫌だった」
中学時代はバドミントン部だったというねる先生。

長濱ねるさん:
皆さんの中でバドミントン部の方いますか? いない? (数人手を挙げる)あ、結構いますね。私はテニスかバドミントンで迷って、日差しが弱そうなバドミントン部にしました。皆さんどんな理由でバドミントン部に入られたんですか?
バドミントン部の生徒:
私は姉がやってて、小学校の頃から始めて、そのまま中学校でも入りました。

長濱ねるさん:
部活を一生懸命頑張ってる子が多いですね。私は中学校の頃、今もなんですけど、人前に立つのがすごく嫌で、委員会とかで前に立って引っ張っていくタイプじゃなかったので、こういう場所は緊張します。
授業を行った学校との“ご縁”
ねる先生は、授業を行った片淵中学校との“深い縁”を生徒たちに明かしてくれた。

長濱ねるさん:
実はこの片淵中学校にすごく縁があって、私の両親が父と母2人とも学校の先生なんですけど、2人とも初めて赴任したのがこの片淵中学校で、母と父が出会ったのもこの片淵中学校なんです。
両親の思い出の中学校で私もいつか片淵中学校に行ってみたいと思っていたので、今回本当にこうやってご縁をいただけて嬉しいです。
私の両親が学校の先生だったので本当にたくさん転勤していたので、なかなかクラスに馴染むのがすごく時間がかかる学生時代を過ごしていました。
ねる先生が思う「私らしく生きる」
ねる先生は自己紹介を終えた後「私らしく生きる」、そして「グローバルに羽ばたくために大切なこと」をテーマに授業が行った。

ねる先生は中学2年生のときにアメリカでホームステイしたことや、これまでに20カ国旅したことを話し「海外にハードルの高さを感じず積極的に視野を広げてほしい」と生徒たちに伝えた。

授業を受けた生徒たちは「誰が来るか分からなかったし、来たときはびっくりが一番大きくて、今日は一日テンションが高くなりそう」「これから進路に向かっていく私たちのために特別な授業をしてくれて感謝しかない。昔のことも教えてくれてとても参考になった」と話した。
“今いる場所だけが全てじゃない”中学生へのメッセージ
授業後にインタビューに応じたねる先生。教壇に立ったことで中学時代に感じていた先生のイメージがずいぶん変わったようだった。
長濱ねるさん:
授業をするのは初めてだったので本当に緊張していたんですけど、地元ということもあって少し安心感がありました。クラスの生徒の皆さんが本当に積極的でずっとコミュニケーション取り続けてくださったので、私も楽しく終えることができました。

長崎は昔から日本の中でも海外の人に触れ合う機会が多いので、そういった方との垣根が低くなればいいなとか、自分が英語使ってみようとか、英語以外でも外国語を学んでみようとか、そういった思いのきっかけになったらいいなと思いました。
中学生という多感な、思春期でもあると思うので、“今いる場所だけが全てじゃない”ということを伝えられたらいいなという想いで授業をしました。
―――生徒から「すごくためになった、将来海外に行ってみたい」という声が聞かれたが?
初めてこういう教室の教壇側に立ったんですけど、どこを見ても皆さんと目があって頷いてくださったり、私が質問を投げかけると声に出してお話してくれたりとかして、すごくコミュニケーションが取れた実感があったので、そういった感想を持ってもらえるのはすごく嬉しいです。

―――今回の授業で工夫したことは?
自分の写真を見せながらの方がよりイメージが湧きやすいかなと思って、私が14歳の時にアメリカにホームステイしていた当時の写真とか、今まで自分が世の中に発信してこなかった、すごくプライベートなホストファミリーとの思い出の写真を交えながら、ホームステイについてお話ししたりとか。
あとは仕事やプライベートで海外に行った時に自分が撮った写真を交えながらお話ししました。直接ひとりひとりに質問を投げかけて話すことで距離が近くなって、授業が楽しく飽きずに過ごしてもらえるように工夫しました。

―――ご両親がかつて出会った学校で授業するということで、何かやり取りしたか?
前日に長崎で“わたぼうしコンサート”の後に両親と会う機会があったんですが、そこで初めて“あす片淵中で授業する”という話をしたらすごく喜んでいて、両親から“僕たちの思い出の場所なんだよ”と教えてもらいました。初めて片淵中に来たんですけど、たたずまいとか綺麗で、長崎らしさがすごくあって、こんな学校があるんだとびっくりしました。
先生って自分からしたらすごく大人のイメージだったんですけど、こんな風に生徒とすごく距離が近い中で授業をしていたんだなって思いましたし、改めて両親のリスペクトが増した気がします。
―――生徒たちが将来、海外に行ったり海外の方と交流する中で、どういうことを学んでほしいか?
本当にたくさんの文化だったり、人間がそれぞれ違うっていうのは学んでもらえたらいいのかなと思っていて。
私は違う国に行くことで色んな文化だったりたくさんの人がいることを学んで、日本の中でもいろんな人がいるんだなとか、同じ国の中でもいろんな考えの人がいるんだなと思うと日々過ごしやすくなったし、接する相手に優しくできるような気がするので、そういった意味でも海外に行って海外の文化を見るだけではなくて、それを受けて身の回りの生活がちょっと生きやすくなったり、人に優しくなれるようなきっかけになったら嬉しいなと思います。

長崎県は収録した動画を2025年度中に20分程度にまとめ、県内すべての公立の小中学校で見られるようにする予定だ。
(テレビ長崎)