新米の高騰が懸念される中、新潟米懇談会が9月6日に開かれた。ここで示されたのは、コシヒカリお茶碗一杯分が約38円という販売価格だ。JAは他の食品と比べて決して高くはないと理解を求めている。
販売価格値上げ お茶碗一杯分“約38円”に
9月6日、新潟市中央区で開かれた新潟米懇談会。コメの卸売業者などを集めたこの会議でJAから説明されたのが、コメの販売価格についてだ。
JA全農にいがた運営委員会の伊藤能徳会長は「米価の回復が必要との判断をさせていただくもの」と話す。
この記事の画像(6枚)2023年は夏の猛暑・水不足で品質が低下したのに加え、資材の高騰で生産コストが増すなど苦境に立たされるコメ農家。
今後もコメ作りを継続するため、JA全農にいがたは販売価格の値上げを決定した。
その金額は「お茶碗一杯分65gだが、その価格は本県産コシヒカリで約38円程度と想定」と県産コシヒカリお茶碗1杯分が約38円と説明。
他の食品と比べ、決して高い価格ではないと強調するが、全国的な品薄の状況から店頭での販売価格は早生品種でも高騰している現状がある。
“コメ離れ”懸念… JAは消費者に理解求める
三条市のスーパーマルセンの太田雅悠専務は「こしいぶきも5kg1980円くらいだったが、それが今は3000円を超えてくる。正直、僕もいち消費者としては、手が出しづらくなったなという感じはする」と話していた。
コメ農家を守るための値上げは評価する一方で、卸売業者も行き過ぎた価格の上昇には懸念を示している。
懇談会に出席した卸売業者は「あまりにも上がりすぎると、逆に消費減退だとか、我々は外食のお客もいるが、外国産米の使用を検討するとか(が懸念される)」と話す。
JAは新米の価格上昇によるコメ離れが起きないよう広報活動に力を入れ、消費者の理解を得たい考えだ。
伊藤会長は「あまりにも高ければ、消費者から敬遠されるので心配するところはあるが、ただ、農業をやっている人も大変だということで、皆さんから一つご理解をいただきたい」と話した。
(NST新潟総合テレビ)